アンプラグドな道具類

今回の震災で役に立ったもの。それは、ラジオや懐中電灯に代表される「アンプラグドな道具類」です。日頃より緊急事態に備えて準備をしていたとは言えず、当日の夜はさすがに慌てふためいたのですが、懐中電灯はすぐに見つかり、また数個のアロマキャンドルの在庫も幸いしました。

そして、鍋料理用にと用意していたカセットコンロと、お隣りさんへ1本差し上げても2本が残ったガスボンベ。震災当日の夜はまだ水が出たのですが、おそらく貯水タンク分が出ているだけだろうとすぐに浴槽へ水を貯め、しばらく続くであろう被災生活へ覚悟を決めたのが、まるで昨日のように感じるのです。

CIMG1238

震災の約2週間前にちょうど記事に書いていた「手巻きラジオ」。これがすぐに必要となろうとは思いもよらなかったのですが、とても役に立ったのは言うまでもありません。とにかく電源プラグを挿し込む家電製品が全滅でしたので、クルマで暖を取りながらナビのテレビで情報を収集し、部屋でワンセグを観るためにケータイもクルマの中で充電することがしばらく続きました。

折り畳み自転車も組み立て、1日20~30kmの用事ならヨロめきながらもペダルを漕ぐ人力による移動。そして、何と言っても今回の主役が「石油ストーブ」だったことは意外でした。

CIMG1252

震災の翌日、給水タンクを物置へ探しに行った際、あ!これ、あったんだ!持っていたことさえ忘れられていた、物置の奥にポツンと置いてあった埃だらけの石油ストーブ。このアンプラグドな暖房器具が、その後に大活躍したことはご想像の通り。コイツは頭の上でお湯を沸かしてくれるのです。しかも想像以上に早く。このお湯でどれだけ助かったことでしょう。

様々な支援物資を頂戴したおかげで生活は立て直り、また電気や水道も復旧したおかげで、ラジオや懐中電灯などの道具はまた休息に入りましたが、未だにガスが復旧していない我が家では、カセットコンロやこの石油ストーブがまだまだ現役です。電気が復旧してもファンヒーターは使わずに石油ストーブ。暖房しながらお湯も沸かせるとは、実に素晴らしい道具だったことをあらためて知ることになったのです。