これは記事にすべきかどうか非常に迷ったのですが、注意喚起の意味でも書くことにします。
本日、仙台に住む親戚の高齢者が「キャッシュカード詐欺」の被害にあいました。これまでも幾度となく報道などで耳にしてはいたのですが、これほどまで身近でそのような事件が起こるとは、正直なところ私も驚きを隠せません。ご高齢者がいらっしゃる方は是非ご注意下さい。
それは一本の電話から始まったようです。警察の人間だと名乗る者から電話があり、あなたの預金口座が振り込め詐欺に悪用されたために、お気の毒だが口座を凍結せざるを得ない状況になったと。このままでは預金を下ろせなくなるが、キャッシュカードを作り替えれば大丈夫なのでご安心いただきたい。新しいカードへ切り替えるために、現在のカードを「日本銀行協会」まで届けに行って欲しい。もし面倒なのであれば、協会の者に取りに向かわせる。
よく考えられた内容で、実に巧妙です。最初はキャッシュカードを自分で届けに行くことを促しますが、75歳以上の高齢者に対しては、特別にこちらから取りに伺うように手配もできると優しいサービスを強調するのです。しかも、相手は警察の者だというのですからハマります。
やがて、警察から指示を受けたという「日本銀行協会」の担当者から電話があり、これから伺うのでキャッシュカードの用意をしておいてもらいたいと。そして自宅へスーツ姿のビジネスマン風の男がやってきて、明日の午前11時までキャッシュカードを預かる旨の「預り書」を起票し、ものの数分でカードを引き取っていくわけです。もちろん、暗証番号は最初の電話で警察の人間が確認済み。
その後、おそらく15分後には口座が空になったようですが、ここまで巧妙だとご本人ばかりを責めるわけにもいきません。では、何か防御策はあるのでしょうか。いろいろ考えてみましたが、今のところ2点しか思い付きません。
まず、非通知の電話には一切出ないようにしてもらうことです。犯行グループからの電話は計3回で、もちろんすべて番号は非通知でした。
もう一つは、キャッシュカードを持たないようにしてもらうことです。面倒でも、お金を下ろす際には昔のように通帳と印鑑を持って窓口へ並んでもらうこと。何とかこの2点だけでも確実に守っていただければ、「キャッシュカード詐欺」に関しては被害を減らすことが出来そうです。
高齢者からお金を奪い取ることに熱心な、実に腹立たしい詐欺グループ。彼らは、このようなことを行うためにこの世に生を受けたのでしょうか。そして、このまま自身の人生を犯罪のために捧げ続けるのでしょうか。その類まれなる思考力と素晴らしい行動力を、正当な仕事に生かせないものか。