満洲飯店

「なぜ山を食らうのか?」と問われれば、「そこに山があるから」としか答えようがないとも思える、まさに山のようなその雄姿。泉区は市名坂にある「満洲飯店」で出されるタンメンは噂通りの凄いもので、この標高は間違い無くトップに君臨しそうです。名付けて「泉ヶ岳タンメン」。

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もはや頂上にモヤがかかって、視界も不安定な「タンメン」。このブログのご愛読者で、泉のご出身であられる某氏より、まずは試しに行ってみなはれと、強烈なお勧めを頂戴していたのであります。実はこの「あっぺとっぺ本舗」も残すところ数日で閉店の予定。その前に是非と。

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泉中央の交差点から大通りを国道4号線バイパス方面へ。ちょうど右手にマクドナルドがある交差点を左折した裏通りにすぐ見えてきます。発展目覚しいこの界隈で、この「満洲飯店」の一区画だけポツンと時代が止まっているかのような佇まい。なんと創業40年なのだそうです。

なんとか「食堂」や、なんとか「飯店」という店名には妙に魅力を感じてしまうのですが、もちろんこの満洲飯店は初めての訪問。しかしながら、長年にわたって地元の人たちの胃袋を満たし続けてきたのだろうという雰囲気が十分に感じ取られるような、実に年季が入った店構えです。

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このタンメン、以前から噂を聞いていたこともあり、また今回新たに下調べを進めるうちに、実に情けないのですが小食の私には完食できそうにもないという結論に達し、同業の先輩と一緒に訪れることにしたのであります。もちろん先輩には「タンメン」を強くお勧めし、私は「うまにラーメン」を注文。目の前に運ばれた「泉ヶ岳」を見ていると、私も登りたくなってしまいます。

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このお店では、おそらく野菜の高騰など知ったこっちゃないのでしょう。野菜の価格がいくら高くなろうとも、ウチはウチで決めたレシピ通りの料理をいつもの通り黙々と作るだけ・・。まるでそのような心意気が伝わってくるような料理の数々なのです。もちろん先輩は、きっちりと完食。

これは美味しくなかったら完食できないよ、とは先輩の弁。私がいただいた「うまにラーメン」も少し甘めのあんが野菜や麺を優しく包み込み、十分にボリュームもある、実に美味しい一品でした。

人気の「みそタンメン」や「みそラーメン」も「泉ヶ岳」の様相で、店内は登山者だらけなのです。ちなみにこの「タンメン」も「うまにラーメン」も650円。お試しの際にはピッケルをお忘れなく。

実に恐るべし「満洲飯店」。テントと暖簾の「州」の字が異なっていたり、「市名坂店」とは国分町の「満洲飯店」と何か繋がりがあるのだろうか。あるいは他に?などと謎も多いこのお店。いずれにしてもまた後日、美味しい料理でお腹を満たしながら、少しずつ解明してまいりましょう。