雨のジャズフェス 2010

昨夜から降り続いた雨は今朝になっても止む気配はなく、今日の天気は逆立ちして見ても見事な雨そのもの。この天気なら「ジャズフェスには行かない」という決断を迷わず下すのでしょうが、今回ばかりは「観に行く」という約束を交わしていたのであります。

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「一期一会B.B.」。真ん中に陣取ってギターとヴォーカルを演っているのが、高校の同級生で昔にバンドも一緒に組んでいた男であります。ちなみに、「B.B.」とは「ブルースバンド」の略とばかり思っていましたが、どうやら「バカたれブラザース」なのかもしれないとの噂もちらほら。

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昔は自分の家族以上の時間を共に過ごした彼と、お互いに顔を付き合わせるのはおそらく10年以上ぶりかもしれません。他のお二人も地元の先輩で、お三方の平均年齢はとうに50を超えていらっしゃるわけですが、仕事と趣味とを両立され、実に楽しい人生を送られているようです。

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さて、彼らのように「アコースティックギター」を奏でるバンドも少なくないのですが、もちろん生音を拾ってアンプで増幅させていますので、このフェスティバルに「電気」は無くてはなりません。

ところが今回はこの雨。こちらは傘をさして観ているだけでよいのですが、PA関係のスタッフの皆さんや、もちろん出演者ご自身の楽器の管理など、実にご苦労が多かったに違いありません。

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どれどれ、今年はこれくらいで引き揚げようかと思いながら帰り道につくのですが、どうにも後ろ髪が引かれるのは不思議な感覚です。濡れるのはイヤ。しかもロクな写真しか撮れない状況。さらに傘の花が開いてステージが全然見えない。う~ん・・でも音楽は聴こえる。

まるで後ずさりでもするかのように、少しずつ各ステージで道草を食いながら本町の駐車場に向かう途中、「錦町公園」に差し掛かったのです。すると、とあるバンドがスタンバっていました。

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まったく知らないバンドに偶然遭遇するのも、このフェスティバルの醍醐味の一つだと思いますが、メインボーカルと思われる彼の格好と、ホーンセクションのラッパ隊4名、そしてフルパーカッションの打楽器類を目にした瞬間、何かを予感させるものがあったので少し観ていくことにしたのです。

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演奏が始まってすぐにその予感は見事に的中。個人的な「ツボ」にどっぷりハマり、とにかく度肝を抜かれて気が付いたら最後まで観てしまいました。ジャズフェスは2回目だという総勢11名のこのバンドは、東京で活動されている「パイナップルダンディ」というグループだとのことです。

おそらく楽曲はすべてオリジナルだと思われますが、彼らの音楽をあえて表現するなら、「コミカルパフォーマンスを伴う大人のファンキーでソウルフルなファンクバンド」とでも言えるでしょう。

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各パートの確実な演奏とショー仕立てのステージは完全にプロ仕様。バンドのスタッフの人に伺ったところ、結成して10年で、プロではないが東京でライブ活動を適時やられているとのこと。

やはりそうでしたか。個人的にはこのバンドの存在を知ったのも今年の大きな収穫でしたが、時間的にも他に観ることが出来なかったバンドが多かった事は、実に心残りなのであります。

このバンドに限らず、こうして遠方からも多くのバンドが自腹で参加しているという事実。心から音楽を愛し、自分たちも楽しみ、聴いている観衆も楽しませたいという純粋な気持ちが、このジャズフェスの根幹を支えているのかもしれません。

しかしこの「パイナップルダンディ」の皆さんは面白くて盛り上がります。是非ともまた!