昨日から今日までの一泊で、「鳴子ホテル」に行ってまいりました。とてもお得なパッケージがあったので昨年から予約をしていたのであります。それは、びゅう(JR東日本)で企画した「悠湯紀行」というもので、宮城、福島、岩手から選ばれた5軒の宿が、24時間の滞在で2日目の昼食まで用意される1泊3食付きプランという、非常に興味をそそる内容だったわけです。
基本的にはJRを利用してのパッケージなのですが、宿泊のみというコースも設けられ、私たちにとっては一番近い「鳴子ホテル」が前述の内容で平日利用9,200円(3名~)という破格のプライスだったこともあり、ほとんど即決で予約を入れたのです。実に久しぶりの温泉であります。
個人的には大型温泉旅館のお湯はあまり信用していないのですが、鳴子、そして特にここ「鳴子ホテル」はまったくの例外です。これまでも数回訪れたことがありましたが、この規模でよくこの温泉施設を維持管理しているとつくづく感心してしまいます。このお湯は素晴らしい財産です。
夕食と朝食はバイキングでしたが、数年前にダイニングを改装し、料理の内容も大幅に改革されたようです。5~6年前に訪れた際には、正直申し上げて少々古臭い大食堂で地元の演歌歌手のライブを聴かされながらバイキングを楽しむという趣向でしたが、今は完全に違います。
ダークブラウンで統一された広いダイニングで、ステーキはその場で焼かれ、天ぷらはその場で揚げられるなど、美味しさを伴う思い切った顧客志向へと転換されたことは喜ばしい限りです。
そしてやはり圧巻はこのお湯でしょう。ご存知の通り鳴子全体が素晴らしい温泉郷であり、どこのお湯に入っても間違いはないのですが、大型温泉旅館でこれほどのお湯を提供している宿は無さそうです。以前に雑誌で目にしたのですが、鳴子ホテルでは湯守(温泉を管理する専門員)を5人も揃えているのだそうで、大切な財産を完全な状態で顧客へ提供しようとしています。
今回は1階のお湯が青竹がかった乳白色、そして2階のお湯は見事なエメラルドグリーンでした。バスクリン(古っ!)を入れないでどうしてこんな色になるのか、まったくスゴイものです。
大女将自らが朝食会場でスタッフに紛れて食事を振舞ったり、清潔な大浴場では清掃に3度ほど遭遇したり、館内のスタッフも笑顔で挨拶したり、前回に訪れた時よりもはるかに良い印象を持った今回の「鳴子ホテル」。3月末までのプランなので、また行こうかと企んでいます。