仙台の中心部、例えば広瀬通の一番町からクルマで10分程度のところに水力発電所があるなどとは、お恥ずかしながら先日に先輩から教えていただくまではまったく知りませんでした。
広瀬通から西方面へトンネルに入らず県美術館の前を通るか、あるいは八幡五丁目の交差点から南へ下った辺りで、広瀬川にかかる「牛越橋」が見えてきます。ちょうどその北西に位置するあたりが青葉区荒巻字三居沢という土地なのですが、ここにあるのが「三居沢発電所」です。
この三居沢(さんきょざわ)発電所は、なんと日本で最古の水力発電所なのだそうで、明治21年に東北で初めてここの電気であかりをともし、今もなお発電を続けているとのことなのです。
いやはや何ということでしょう。仙台は昔から東北大学などを筆頭に学術研究が盛んだったことも寄与し、世界初や日本初という話しを聞かなかったわけではありませんが、日本で最初の水力発電が仙台で、しかも今や市街地といってもよい場所で稼動していたとは実に驚きです。
現在は東北電力で管理されている敷地内は自由に見学もでき、約20年前に百周年を記念して建てられた「三居沢電気百年館」という資料館で当時の歴史を振り返ることも出来るようです。
瑞鳳殿がまつられる経ヶ峰(霊屋下)はもちろん、青葉山や八木山、水の森や台原など、こうしてあらためて感じるのは、「杜の都」は市街地に緑がたくさん植えられているということだけではなく、森(杜)に囲まれた都という意味もあるのかもしれません。それほどに森が近いのです。
120年ほど前に、仙台で、いや東北で初めて電気のあかりがともされた、ここ三居沢発電所。そして、いよいよ今週12日から開催される、今年で24回目の「SENDAI光のページェント」。
どうしてもこの二つの事は互いに運命の繋がりを感じてしまうのですが、今年はその事を念頭に置きながら、そして歴史上の偉人たちに敬意を払いながら観賞させていただこうと思います。ここ三居沢が「光のページェント」の原点かもしれないと感じるのは、おそらく私だけではなさそうです。