私たちが子供の頃、アルファベットそのものやその順序を学ぶために使われた「きらきら星」。「A-B-C-D-E-F-G、H-I-J-K ・ ・ 」と、歌に合わせて覚えたものでした。
大変お恥ずかしいのですが、私は今でも「あれ?PとNはどっちが先?」などという場面に遭遇した場合には、頭の中で素早くこの歌をうたって確認してしまうことが習慣になっているのです。しかもその際にどんなに素早くうたっても、「A-B-C-D-E-F-G、」とGの後に必ず休符を入れてしまうのですから、「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものです。
この「きらきら星」。私もまったく知らなかったのですが、18世紀の末にフランスで流行したシャンソン曲の一つだそうで、原題は「ああ、お母さん聞いて!」と、想いをよせる人のことを自分の母親にうちあけようとする娘の心情をうたった恋の歌だったそうですから、メロディと同様にとても可愛らしい歌詞だったのですね。是非一度聴いてみたいものです。
その後、モーツァルトがこの曲を元に「変奏曲」を作曲したということのようですが、原題である「ああ、お母さん聞いて!」をイギリスの詩人が「Twinkle, twinkle, little star」と替え歌にしたところ、童謡として世界的に広まり現在では世界中で愛唱されているそうです。
ちなみにモーツァルトの変奏曲は本来原題のままなのですが、メロディが童謡「きらきら星」として知られるようになったため、日本では「きらきら星変奏曲」と呼ばれるようになったようです。
さて、テレビドラマ「のだめカンタービレ」ヨーロッパ編で、のだめがフランスの古城で開いた初めてのリサイタル。彼女はこの「きらきら星変奏曲」を実に気持ち良さそうに弾きこなしました。
腕に覚えのある方はチャレンジされてみてはいかがでしょう。なんのなんの、「きらきら」などと可愛いことを言っていられないほど難しそうです。