サントリー「プロテインウォーター」のテレビCMで、中村獅童氏と 松田翔太氏が軽快な音楽に合わせて踊る「細マッチョ」シリーズを初めて観た時は、思わず吹き出しそうになりました。
二人とも真顔で演じているのに、どこかコミカルな中村獅童氏の表情が面白かったのと、なんと言っても使われている曲が最近見つかったばかりのEPレコード盤だったからなのです。
70年代にアメリカで大活躍した作曲家兼プロデューサーでもあったヴァン・マッコイの75年の作品「THE HUSTLE」で、全世界でレコード売上1,000万枚の大ヒットを記録したという驚きの一曲。しかし、この曲が実に上手く「細マッチョ化」しており、何の違和感もなく耳にすんなり入ってくるたびに、思わずニンマリしてしまいます。
この曲は基本的にインストルメンタルで、オリジナルでは「ドゥ・ザ・ハッスル!」という言葉だけ。その部分が「ホソマッチョ!」に変えられているだけなのですが、なんとも収まりがいいから不思議です。
EPレコード表紙の裏側にはご丁寧にもステップが記載されているように、当時は「ハッスル」という言葉自体が踊り方の一種を意味する言葉としても使われていたようです。実際に「ハッスル」という名が付いた多くの曲が出回り、かの浅野ゆうこ嬢も「ハッスル・ジェット」なる曲を真面目にリリースしたほどでした。
ヴァン・マッコイはこの曲の他にも「ディスコ・ベイビー」や「ディスコ・キッド」など数々のダンスナンバーを世に送り出しましたが、残念ながら若くして急死してしまったようです。