ご存知「大衆食堂 半田屋」。 仙台に本社を置く株式会社半田屋が運営する直営及びフランチャイズの定食屋チェーンで、知名度はかなり浸透しているでしょう。少し前までは「めしのはんだや」だったのですが、近年お店のイメージチェンジを図りつつ、お店のネーミングも変えてきたようです。
私が学生の頃は当然「めしのはんだや」でしたが、会計方式は今と違っていました。
お客さんが勝手におかず類をトレイに取り、必要であれば最後にご飯と汁物を頼み、勝手に席に着いて食べ始めるのです。すると知らないうちにホール担当のおばちゃんが背後に忍び寄り、食べているものを伝票に書き入れ、その紙を次々と置いて回る。そして店を出る時にその伝票でお会計という具合です。
忘れられない思い出があります。学生の頃になじみの「はんだや」へ友達と行った時のこと。その悪友が、ちょっとイタズラで試してみようと言うなり、一品のおかずをテーブルの下、つまりひざの上に隠しながら食べ始めたのです。なじみの店だから冗談半分だったのでしょうが。
しばらくして回ってきたおばちゃん実に恐るべし。上からは絶対に見えないはずなのに・・。
「お兄ちゃん、内股で食ってんでねぇどっこの!」と笑いながら隠していた皿盛のおかずに手を伸ばし入れてテーブルの上に戻したのです。大人には絶対にかなわないと思った瞬間でした。
イメージチェンジした今の「半田屋」には、ちらほら女性の姿も目立つようになってきました。完全にセルフサービスの学食やカフェテリアの様相ですから、以前に比べれば格段に利用しやすくなったのだと思います。今や老若男女問わず支持され、ますます存在意義を確立したのでしょう。
実は、ここを利用する最大のメリットは、自分の食欲に合わせて食べられることだと思います。
通常は食欲のない時に食事に出ても、せいぜい「ご飯を少なめに」と言うほかなく、しかもお値段は変わりませんが、ここなら一番少ないご飯に豚汁と生卵でも300円でおつりがきます。
卵かけご飯と豚汁ならなんとか残さず食べることが出来そうで栄養補給も十分。食べ物にもお金にも無駄を出さない。実はこれが「はんだや」創業者の教えなのかもしれません。