石巻 白謙

70歳を過ぎたカミさん方の叔母。仙台のご出身ですが、名古屋へ嫁いでもはや50年。今やバリバリの名古屋弁を喋るほどの名古屋人になられているわけですが、やはり今回の震災で受けた故郷の被害には、相当に心を痛められているご様子。その叔母が昔から口癖のように言っておられたこと。それは「笹かまは、やっぱし白謙にかぎるのぅ~」という言葉です。

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長く百貨店にお勤めになり、着るものにも食べ物にも少々うるさい叔母。数年に一度はご夫婦で仙台へ遊びに来られ、その際に必ず買って帰られるのが「白謙」の笹かまぼこです。なぜ「白謙」なのか、以前に一度聞いたことがありましたが、答えは明快。美味しいからだと。

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宮城県産の「笹かまぼこ」を買う場合、例えば仙台駅の地下を訪れただけでも迷うほどの蒲鉾店が存在します。圧倒的なネームバリューを誇る仙台の「阿部かま」や「鐘崎」はもちろん、大小問わず美味しい蒲鉾店に恵まれているこの地で、その味に対して優劣を付けることなど出来ませんし、一度に食べ比べる機会もありませんので、正直なところ私には判断つかず。

叔母の影響なのか、石巻の「白謙」には以前から「通が選ぶ笹かまぼこ」という印象を持っています。強い志のもと被災から立ち上がり、徐々に店頭でも見られるようになった白謙のかまぼこ。幸いなことに近所のジャスコ(イオン)でも、この「極上笹かまぼこ」と「揚げかまぼこ」が購入できるのですが、今日は1枚178円の「極上笹かまぼこ」で舌つづみを打つことに。

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今回は、一味唐辛子を加えた「めんつゆ」を全体につけて網焼きに。醤油が焼けた香ばしさと甘辛いタレ、そして熱々のふわっふわに焼けた「極上笹かまぼこ」は、もうワンクラスの極上を付けても良いほどの美味しい出来上がり。これは、是非ともお試しいただきたい一品です。

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約100年ほど前に、白出謙助氏が石巻で創業した鮮魚店が始まりだという「白謙かまぼこ店」。今回の震災で名古屋の叔母からも様々なお心遣いを頂戴したお返しとして、この「白謙」の笹かまぼこをお贈りしたらさぞかしお喜びになるでしょう。その顔が目に浮かぶようです。