中華料理トータス 担々麺

黒いマントをまとった「美食アカデミー主宰」である鹿賀丈史氏の、「私の記憶が確かならば・・」で始まる言い回し。そして重厚な音楽と共に登場する3人の鉄人たち。15年ほど前にフジテレビ系列で放映されていた「料理の鉄人」は、当時の私をいつもテレビへ釘付けにしたのです。

その後にTBS系列で始まった「チューボーですよ」もそうですが、両番組とも「料理」に対する興味を大いにふくらませてくれたことは間違いなく、それ以来、自分もたまには台所に立ってみようかと思い始めたのですが、見るのとやるのは大違い。料理とは実に奥が深いものです。

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さて、「料理の鉄人」内で中華の鉄人を務めた陳 建一氏。その父である陳 建民氏が日本に広めたとされる「担々麺」。すでに私たちにはおなじみの麺類ですが、どちらかと言えばラーメン店よりも中華料理店で食べるメニューと言えるのかもしれません。そして、中華料理店となれば、ご存知のように麺類だけではなく飯類や一品料理など膨大なメニュー数。

その中華料理店のメニューの中から、あえて「担々麺」を選択するということはこれまでにほとんどなく、どうしても他のメニューに目がいってしまっていたのですが、先日なぜかふと食べたくなってしまったのであります。好き嫌いは無い代わりに、特に「担々麺」が好きでもないはず。

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たまに伺う「中国料理 トータス」はジャスコ中山店内に構えるお店で、これまでは十中八九「五目あんかけ焼きそば」だったのですが、つい指を滑らせて頼んでしまった「担々麺」の美味しさには正直驚きました。もちろん、何を食べても美味しいと感じやすい私の感覚ですから、あまり真に受けない方が良いかもしれませんが、これは意外に大穴と言わざるを得ません。

最近になって会話を交わさせていただくようになった女性のオーナーいわく、実は当店の自信作なんですよ、とのこと。関東出身のオーナーがひょんなことから仙台で中華料理店を開くことになり、その際に東京の名店から何人かの料理人を引っこ抜いて仙台へ来られたのだと。

980円という値付けは麺類の価格と考えれば決して安いとは思えませんが、食べ終わってみると満足しているから不思議です。たとえ一杯の中華そばでも、この担々麺でも、私には作りようがない立派な料理。この代金は厨房で闘っている鉄人たちへの投票でもあります。ごちそうさまでした。