マクドナルドのセット販売戦略

マクドナルドのカウンター上部に掲げられる写真付きの大きなメニュー。ご存知の通り、ここにはいくつかのセットメニューしか載っていません。そして、いよいよ自分がオーダーする順番が回ってきた時に差し出されるカウンターのメニュー。ここから「単品」の商品を探し出すことは、クルマのシートの下へ落とした10円玉を探すのと同じくらい難しい作業になるのであります。

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マクドナルドで主食のハンバーガーをオーダーする人のなかで、ポテトも一緒に買うことになる人の割合は相当高いのだろうと思います。逆に、私のようにポテトをほとんどオーダーしない来店客へ対しては、90%の確率で「ご一緒にポテトはいかが?」と空腹を気遣ってくれます。

決してフライドポテトが嫌いなわけではないのですが、マクドナルドを利用する時にはたいていの場合あまり時間が無いケースが多く、この細いポテトを少しずつつまんで食べようとは思わないだけで、モスバーガーのような太さのポテトなら、数本は食べたくなるのかもしれません。

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それにしても、あからさまにセットメニューを売りたがっているマクドナルドの「メニュー」表示。出来ることなら利益率の高いポテトやドリンクも一緒に買っていただきたいというマクドナルド側の戦略は十分に理解できますし、この方法で成功もしてきたのでしょうが、一方でお客様の好みも様々で、ポテト以外の単品を組み合わせたい人にとっては、誠実で親切なメニューとは言えません。

結局のところ、特に後ろに人が並んでいる場合などには、ゆっくりとメニューをながめている雰囲気でもなく、いつも「ハンバーガーとコーヒー」になってしまうのですが、たまには食べてみたい「フィレオフィッシュ」がもっと目立つところに記載されていれば、私もそれに気がついてオーダーするのかもしれません。

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「ご一緒にプラチナのブレスレットはいかがですか?」と言われれば即時に断ることが出来るのでしょうが、ご一緒のポテト程度であればおそらくついYESと言ってしまう人も多く、この何気ない一言はマクドナルドの利益率向上へ意外に大きな効果をもたらしているのかもしれません。

そう言えば、ポイント系家電量販店のキャッシャーでの一言も徹底しています。ほとんどの場合「ポイントをお使いになりますか?」ではなく、「ポイントはお貯めでよろしいですか?」と言われます。これも、YES よりもNO が言いづらいという心理を上手く突いた戦術なのでしょう。