真夏日の熱奉行

早いもので今年も8月に入り、いよいよ夏本番であります。容赦なく照りつける太陽はぐんぐんと気温を上昇させ、仙台でも今日で8日連続の真夏日だそうです。先日も友人と暑さのことが話題にのぼりました。はたして歳とともに暑さに弱くなってきているのか、あるいは昔はこれほど暑くなかったのか。答えはやはり、以前より確実に暑さが増してきているだろうと。

昔は「真夏日」という言葉さえ聞いたことがありませんでした。仙台で30℃を超えることがなかったからでしょう。おそらく28℃程度が真夏の証明書のようなものでしたが、今やエアコンの設定温度が28℃。近い将来には仙台でも35℃を超えることになってしまうのでしょうか。

こうも暑いと、もはやヤケクソです。暑さで頭がヤラれてしまったのか、真夏日の熱奉行を試してみることにしました。暑さから逃げるのではなく、テッテー的に暑くなってやろうじゃないかという作戦です。はたして大丈夫なのでしょうか。よく分かりませんが、おそらく大丈夫でしょう。

太陽がもっとも高くなる午後になって自宅へ戻り、いったん着替えてから熱奉行は開始されました。まずはクルマのエアコンをオフにして窓は全開です。向かう先は仙台市内からもほど近い秋保温泉。外気温計が示す気温は34℃ですが、窓からは意外に涼しい風が入ります。

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最初の熱奉行は、「龍宝」での熱い麺。昔は電力ビルの西側にお店を構えていた中華飯店で、ここ秋保温泉の入口付近に移転してから二十数年は経つのでしょうか。

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どういうわけか、私は夏でも冷し中華系をあまり食べません。決して嫌いなわけではないのですが、いざテーブルへ着くと熱々系に魅力を感じてしまうのです。そしてもちろん、特に今日は冷し物から選ぶわけにはいきません。少し迷って注文したのが「豚角煮麺」。相手に不足はありません。

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やがて目の前に運ばれた豚角煮麺。メニューの写真とは見事に違いますが、あんかけ仕様で最後まで熱々で食べられそうです。さっそく箸を割って闘いが始まるわけですが、これが実に美味しい。トロトロの豚角煮は絶妙な甘みと八角の香り。真夏日に弱冷房の中華飯店でいただく熱々の豚角煮麺。空腹だったこともあってか、汗ダクながら箸が止まりません。

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熱奉行第一弾は、最後のスープまで完全にクリア。外に出ると風が涼しく感じます。そして間髪をいれずに向かったのが、熱奉行第二弾である秋保温泉共同浴場。

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温泉に浸かれば真夏日もまた涼し・・と思ったのが大誤算でした。券売機に300円を投入して出てきた入浴券をオジサンに渡し、そそくさと服を脱いで掛け湯をしたところ、うぅ・・あっちぃよ~。

先客の皆さんも同感のご様子で、おそらく44~5℃ぐらいはあろうかという湯温は、ここにしては高温と言えるでしょう。しかし、もう引き下がれません。とっぷりと肩まで浸かって目を閉じます。少し沈んでから上がってカラダを冷まし、また浸かってを繰り返す熱奉行。自宅では連日のようにシャワーで済ませていたせいか、熱いながらも約20分の温泉は実に心地良い時間でした。

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しかし、湯上りが大変な事態に。汗がまったく止まりません。もちろん帰りもエアコンはオフで窓は全開。事前に用意した小型魔法瓶の冷たいお茶が、まさに命の水となったのです。実に手強い試練となった真夏日の熱奉行。アホか。良識ある皆さんは、決して真似をなさらぬようにお願いします。