宮古島と石垣島の間にぽっかりと浮かぶ多良間島。自治体名としては沖縄県宮古郡多良間村となるそうですが、地図を見ると沖縄本島までの距離よりも台湾の方が近いような気がします。
さて、無事に多良間空港へ降り立った私たちは、少し遅れて迎えに来てくださったレンタカー屋さんのワンボックスカーで、レンタカー事務所へ向かうこととなりました。同じ飛行機に乗ってきた乗客はおよそ20数人。オフシーズンだからなのか、空港内も実に閑散としているようです。
連れて行かれたところは、レンタカーも貸し出しているペンションだとのこと。
ペ・・？ペンション？どう見てもプレハブ小屋のようにしか見えないペンション。沖縄、特に離島での宿泊施設は様々な形態があるようですが、ペンションと言っても私たちがイメージするような、いわゆるリゾート型のペンションとは違います。
今回は残念ながら日帰りでしたが、ちなみにこちらは１泊２食付きで５千円なのだとか。建物から想像すると少し高いような気もしますが、テレビとクーラー、そして無線LANが完備だそうです。
さて、真新しいスバルのステラをお借りしてさっそく島内を走り始めたわけですが、とにかく人がいません。そして、クルマにも滅多に出会わないのです。目に入るのは、畑と牧場と牛とヤギ。
情報では、島の人口約1,300人に対して、牛は約4,000千頭。おそらくヤギも1,000頭以上はいるのではないでしょうか。素の多良間島はとにかくのどかです。聞こえてくるのは、蝉の声と風の音だけ。
島の北部に集落があり、そこに役場や居住区が集まっているようですが、そこでも人をほとんど見かけません。おそらく中心街と思われる場所に２つのスーパーマーケットが向い合っており、たまにクルマや自転車で買い物に訪れる人がいるだけ。すぐ近くにある村役場が土曜日でお休みということもあったのでしょうが、それにしてもこの光景には少しだけ戸惑います。
弟が事前に調べていた数店の食堂を探すも、なぜかすべて閉まっています。これは実にヤバい。
昼食はどうしましょう。スーパーへ戻って惣菜を探すも、置いてあるのは菓子パンだけ。マジすか？お聞きしてみたところ、今日は村の大ゲートボール大会が開催されているから、おそらく惣菜作りもお休みで、食堂も開けなかったんでしょうね～と。はぁ？村の大ゲートボール大会ですかぁ。
まったくトホホのホでありますが、郷に入れば郷に従えと言いますから、ゲートボールを止めてすぐに食堂を開けてくれとも言えません。結局は菓子パンと飲み物を手に入れて、どこか海の見えるところで食べようということになったのです。これでパンも売り切れたらシャレにもなりません。
しょっぱなから強烈な洗礼を浴びてしまったわけですが、少しずつ時間が経つにつれて、この島のユルさ具合が徐々に心地良さへと変わってくるのです。何も無いところで、何をして過ごすべきか。
何もしないことです。弟がそう言って笑いました。なるほど。何もしなくていいんだ。それ、素敵。
