大木トオル氏の名をご存知の方は、よほどのブルース好きか、よほどの犬好きなのかもしれません。
整理途中のレコードの中に、彼のアルバムを一枚見つけました。1980年とありますから今から30年前、ちょうど私がブルースやR&Bを聴きあさっていた頃で、これも私にとっては名盤中の名盤です。
彼は若い頃に、単身アメリカへブルースシンガーとして渡米したそうです。ブルースの本場へブルースシンガーとして殴り込みをかけたのですから大したものですが、その結果は、私の聴く限りでは素晴らしいとしか言いようがありません。
ロール感が感じられ、ホーンが実に効いている迫力のあるブルースは、見事なパフォーマンスを得て多くのアメリカ人からも受け入れられたようで、彼はそのままアメリカへ移住します。
それ以来、どちらかと言うと彼は活動の場をアメリカに置き、しかもブルースのミュージシャンですので、日本での知名度は著しく低かったようですが、最近は彼の名を聞くようになりました。
今の彼は、「国際セラピードッグ協会代表」で「ユナイテッド・セラピー・ジャパンINC代表」。
アメリカへ移住してから、セラピードッグが医療の現場や高齢者施設、障害者施設で動物介在療法として活躍しているのを見て、その存在意義に深い感銘を受け、それを音楽活動の他に、もう一つの大きなライフワークにしようと思ったのだそうです。実に興味深い話しです。
もちろん今は日本でもセラピードッグの普及活動に情熱を注がれているそうで、本も執筆されているようなので今度買って読んでみようと思いますが、彼のブルースもまた聴いてみたいものです。