清水屋のワンタンメン

たまにはそば屋のラーメンなんてどうですか?そば屋のラーメン?それいい!実にいいプランですね~!そう言えば忘れかけていました。そば屋のラーメン。先週のある日の午後、クルマに同乗していた友人が切り出した誘いに、私は一瞬で「そば屋のラーメンっ腹」になってしまったのです。

そば屋のラーメンと言えば思い出すのが、塩竈市新浜町の「更科分店」。ずいぶん前に先輩から連れて行っていただいて初めて食したラーメンは、なるほどそば屋のラーメンとはこうあるべきなんだと深く納得した実に美味しい一杯でした。鰹出汁の香るあっさりとしたなかにもコクがあるラーメンは、シンプルながらもそば屋でしか創り出せないような風味だったわけです。

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さて、「そば屋のラーメンっ腹」に陥ってしまった以上、それを回復させるには「そば屋のラーメン」を出来る限り早めに処方してもらうしかありません。この辺りでそば屋はあんの?友人にそうたずねると、彼はアゴを突き出し気味に得意げな顔で言いました。ええぇ、ありますとも。

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案内されたのは、南光台の「清水屋」。あ~!有名店じゃないですか?確か宮町に清水屋本店があり、ここも正確には「清水屋本店南光台支店」となっているのを何かで目にしたような気がします。は~ここが「清水屋」ですかぁ。絵に描いたようなそば屋の屋号ですが、それにしても清水屋「本店」南光台「支店」とは面白い表記です。そう言えば仙台には他にも「清水屋」がありますが、なにか関係があるのでしょうか。昔は西勝山にもあったはずです。

さてと。注文するものはあらかじめ決まっていたのに・・。私の胃袋などまったく信用できないもので、念のために献立表を眺めて十数秒後には「ラーメンっ腹」が「ワンタンメンっ腹」に変わってしまいました。そば屋と言えばやっぱりワンタンメンでしょう。整合性のない独り言であります。

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おそらく、銀座食堂(村田町)の「ワンタンメン」が頭に残っていたのでしょう。ここ清水屋のラーメンは550円でワンタンメンは650円。プラス100円でチョッとだけ贅沢な気分を味わってしまおうと考えたのです。間もなく運ばれたワンタンメンは、見た目も実に美しい出来栄え。

考えてみれば、そば屋のラーメンどころかワンタンメン自体を食べるのも久しぶりのことです。おそらく古川の富士屋で食べて以来ですから、4~5年ぶりかもしれません。更科分店よりははるかにオイリーなスープですが、しつこさはまったくなくて上品なコク。そしてそば屋のラーメンとしてはお約束のストレート麺がツルツルと美味しいこと。大満足のワンタンメンでした。

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さすがに人気店らしく、14時前でも来店客が途切れることがありません。そしてそば屋にもかかわらず意外に人気なのがラーメンで、両隣りのテーブルでも男性客がラーメンをすすっておられました。

その昔、確かマルちゃんのインスタント袋麺で「ワンタンメン」があり、固められた麺の中に隠されたワンタンを煮込みながらも探り出していたことを思い出しました。ラーメンよりもどこか懐かしさを感じるワンタンメン。店内も活気のある南光台清水屋で再会できたことは、私にとって実に幸せなひとときでした。はたして次はどこのワンタンメンに巡りあうのでしょう。