最高気温が20℃を超えて、まるで初夏のような陽気に包まれた今日の仙台。これで冬のシーズンは本当に終わったと思いたいところですが、こうも急に暖かくなると着衣に困ります。まだ手の届くところにある冬物では暑そうだし、かと言ってシャツだけでは何となく信じられない。現に街ナカを歩く皆さんのお召し物は様々な様相。ちょうど冬と春が交差するこの季節は実に難しいのであります。
そのような陽気のなか、実家の父親が仙台に出て来るというので、一緒に昼食を食べましょうということになりました。さて、どこにします?いつもの中華料理店?あ!久しぶりに喜久水庵はいかがでしょう?ずいぶんとご無沙汰ですし、あそこなら春らしい献立が用意されているかもしれません。
案の定、席についてすぐ目に飛び込んできたのが春メニューである「春の天ぷら御膳」。ほ~れほれ。やった!今月に入ってから、あちこちの菓子売り場や食事処などでは「さくら何とか」に代表されるような、いわゆる「春物」が並ぶようになりました。私たち日本人が日本の四季を感じ取るチャンス。なにもそれは目や肌からだけではなく、口と胃袋にもその機会は公平に与えられるべきです。
仙台では以前から「お茶の井ヶ田」でお馴染みの喜久水庵。今や「喜久福」で全国区になっているのかもしれません。その喜久水庵内に併設されるお茶と食事処が「ティー茶廊 喜久水」。
土曜日ということもあってか13時半近くでも満席です。お茶やお菓子の販売エリアはもちろん、この食事処まで相変わらず人気があるのは、質の高い仕事を安定的に提供している結果なのでしょう。
デザートとして添えられた「抹茶すいーとぽてと」まで、すべてが実に美味しく感じられた「春の天ぷら御膳」。欲を言えば、春の天ぷらというからには思い切ってすべて春の山菜でも良かったような気もするのですが、やはり海老が無いと文句を言う人が多いのでしょうか。ウドやふきのとう、たらの芽の天ぷらなどは季節限定に打ってつけ。筍の天ぷらをいただきながらそう感じたのであります。
そして、食欲に火がついて食後に思わず注文してしまったのが「トマトのゼリーなんとか」。名物のトマトゼリーにバニラアイスなどが盛られたデザートメニューなのですが、これが意外にも絶品!トマトの風味と甘みが豊かなゼリーだけでも美味しいのに、それにバニラアイスが加わると悶絶です。
カミさんが注文したのは「スーラートマトうどん」。なにそれ、地味だね。
うふふ・・。
うふふって、なによ。なにそれ。美味しいの?
うん、かなり美味しい。
え?マジ?ほいじゃ、ちょっと味見。
はふ・・はふ・・ずるずるずる・・。なにこれ~!うま~い!思わず大声を出すところでした。
いわゆるスーラータンメン系に間違いありませんが、トマトの果肉が入っており、麺はコシのあるうどん。たっぷりの卵、そして爽やかなトマトの風味が甘みと酸味と辛味を絶妙にまとめ上げている感じなのです。美味しいでしょ?だと。さすがはカミさん。目の付けどころがシャープなのでした。