すっとこどっこいオヤジのあっぺとっぺなクルマ遍歴 最終章

すっとこどっこいオヤジのあっぺとっぺなクルマ遍歴最終章。いすゞ、トヨタ、ホンダ、フォルクスワーゲン、日本フォード(マツダ)、日産、オペル、ホンダ、シトロエンときて次は10台目から。

あっぺとっぺなクルマ遍歴 最終章

こうして思い返すと、ずいぶんわがまま放題だった我がクルマ遍歴。あれから少しは冷静になったことと乗りたいと思うクルマが少なくなったおかげで、今では十分に反省して余生を過ごしています。

その前に、現在の軽自動車へ乗り換えるまでの最後の3台。これでクルマ遍歴は最終章を迎えます。

※ ほとんどの画像はウィキペディアから拝借しています。

シトロエン エグザンティア ブレーク

2002年にクサラを下取りに中古(1997年モデル)で購入。「ブレーク」とは、いわゆるステーションワゴン車のプジョーやシトロエンにおける呼び方でしたが、例えばVWとなればヴァリアント、アウディではアバント、メルセデスやオペルはワゴン、BMWではツーリング、ボルボはエステート、ローバーではツアラーなどと、それぞれのメーカーで様々な呼び方を使用していたのであります。

当時に5年落ちの中古で購入した2.0Lガソリンエンジン。4速ATのベーシックモデルで、色は

▼ シトロエン エグザンティア ブレーク ウィキペディアより

シトロエンZXブレークを購入した友人の影響から一気にフランス車への興味が湧き、そのしなやかな足とシートの良さに驚きを覚えて自分もクサラを購入したわけですが、シトロエンと言えば独自に開発したハイドロニューマティックサスペンション。いわゆる油圧を用いた唯一無二のサスペンションシステムで、それがシトロエンBXの後継車だったエグザンティアにも搭載されていたわけです。

一見すると実に普通だったクサラは、運転すると非常にバランスの取れた優秀車。サスペンションもハイドロ系ではなく一般的な金属バネでしたが、独特なシートの出来もあってか乗り味はしっとり。

しかし、一生に一度はハイドロを味わってみたい。ハイドロを乗ってこそシトロエン乗り。そう考えていたところで、クサラを購入したディーラーに中古のエグザンティアブレークが並んだのでした。

正直なところ、我慢できなかったのでしょう。クサラはとても気に入っていましたが、その時を逃したらハイドロニューマティックに乗る機会が遠のく。中古だったこともあり、手に届く価格でした。

 思い出 1 

エグザンティアは5ドアセダン(ハッチバック)も素敵なスタイルでしたが、個人的にはブレークのスタイルが実に好みでした。シトロエンのエンブレムであるダブルシェブロンも控えめで、とても端正なマスク。ステーションワゴンの中では、今でも最高のプロポーションだったと思っています。

 思い出 2 

1,400kg台の車重をハイドロニューマティックサスペンションで支えるとあって、乗り味は独特なしなやかさを見せました。特に高速道路では少し浮いているかのようなフラットさ。よく言われていた「雲の絨毯」というのは大袈裟かもしれませんが、他に類を見ない乗り味だったことは確かです。

また、ハイドロのシステムにはブレーキの回路も含まれていたためか、ブレーキタッチがまるでスイッチのような感覚。慣れれば問題ありませんでしたが、制動により車体姿勢が崩れないのも一つの特徴でした。いずれにしても、フロント側の車重が重くて旋回は不得意。いわゆる直線番長でした。

 思い出 3 

クサラもエグザンティアも、当時のシトロエン車はウインカーレバーの先端にホーン用のボタンが付いていました。両車とも右ハンドルでしたが、要は左側へ伸びるウインカーの先を押すとクラクションが鳴るわけです。これを指で押すというよりも、手のひらでポンと軽く叩く感じ。ステアリングがどの回転位置にあってもレバー位置が影響されることはなく、理にかなっていたのかもしれません。

自分のわがままから、半ば衝動的に手に入れたシトロエンエグザンティアブレーク。広大なラゲッジスペースや、いくら荷物を積んでも姿勢が崩れないハイドロニューマティックサスペンションの効果も相まって、まるでステーションワゴンのお手本のようなクルマだったように思います。しかしながら、私自身が仕事で使う営業車用として考えれば、おそらくクサラのほうが合っていたのでしょう。

マツダ デミオ COZY キャンバストップ

2004年にファミリアSワゴンを下取りにカミさん用として新車で購入。1.3Lガソリンエンジンの4速ATで色は。マツダではフェスティバ以来の電動キャンバストップを備えたいわゆる2代目デミオ。

▼ マツダ デミオ ウィキペディアより

1995年に転職をして首都圏から仙台へ戻ってきたわけですが、それから少しして我が家ではクルマの2台体制が始まりました。最初はカミさん用に激安の白いミラバン(5MT)を中古で購入したのですが、それではあまりにも大変だろうと1998年にヴィータを下取りに出して初代デミオを購入。1.3LガソリンエンジンのLX-Gパッケージで3速AT。色はでした。その時からマツダの担当者とはお付き合いが続き、カミさんはその後にファミリアSワゴン、そしてこのデミオとなったのです。

▼ 唯一残っていた我が初代デミオのアナログ写真

納車されて少しの間はカミさんが乗っていた2代目デミオでしたが、ちょっと貸してよと一日乗ってみたところで軽い衝撃を覚えます。なんだこれ!面白いじゃないか!もちろんエグザンティアに比べれば軽く、なによりもコーナリングでの後輪の接地感が絶妙でした。クルマを交換しましょうよ!

というわけで、エグザンティアがカミさん用となり、デミオは私が乗ることになったのであります。

 思い出 

それまで乗っていたのが重い直線番長だったこともあり、DYデミオは本当に面白く感じました。初代デミオは優れたパッケージングで使い勝手は抜群したがエンジンと乗り味は少しうるさく、1.5Lガソリンエンジンで4ATだったファミリアSワゴンに至っては、普通であまり記憶に残っていません。

ところが2代目デミオは違いました。確かこの頃からフォードの手も加わったはずで、乗り味が明らかに変わったように思います。有名なキャッチコピーとなった「Zoom Zoom!」そのものでした。

キャンバストップも大正解。さすがに日中の街ナカをオープンで走ることはありませんでしたが、夏の夜の街ナカや、初夏や晩秋の蔵王あたりをオープンで走ることは、まさに至福のドライブでした。

マツダ アクセラスポーツ 15C

2007年にデミオを下取りに新車で購入。1.5Lガソリンエンジンの5MTで色は。グレードはベーシックな15Cで、確かアルミホイールやリアディスクブレーキなどがセットとなったスポーツパッケージをオプションとして選択したはずです。ちなみに車名のスポーツとは、セダンと区別するために付けられた5ドアハッチバックの呼び名でした。特別にスポーツ系のフリだったわけではありません。

 

2代目デミオを購入する時にはすでに登場していたアクセラ。その時はカミさん用としてデミオを選んだわけですが、十分に熟成されたであろう2007年に私専用のクルマとして購入に至ったのです。

おそらくDYデミオの乗り味でマツダに関心を持ったことは間違いなく、この初代アクセラも期待通りのクルマだったことは大きな収穫でした。しかも、私が選んだのは確か160万円前後のベーシックな1.5L車だったにもかかわらず、後輪には全車統一のマルチリンク式サスペンションが与えられていたことは、実にコストパフォーマンスも高くてフットワークも良かったクルマだったのであります。

もともと基本性能以外に余計なお金をかけるつもりがない私は、どうしてもベーシックなグレードばかりに興味を示すわけですが、残念ながら日本のメーカーはベーシックグレードをわざとお粗末に造る商習慣があるようです。そのなかで、このアクセラ15Cは当時のマツダの良心だったのでしょう。

 思い出 1 

カミさん用にと2代目デミオをディーラーへ見に行った時。前年に発売されたばかりの黄色いアクセラが店頭に飾られていました。お!これがアクセラですか!馴染みの担当にそう言うと、彼女は満面の笑みでこう言ったのです。そうです!これがアクセラですよ!自慢は優秀なブレーキなんです!

新車の自慢が「ブレーキ」だというセールスマンがどこにいるでしょう。つい私たちはお互いに顔を見合わせて大笑いしたわけですが、実は彼女の発言が大正解だったことを後で知ることになります。

 思い出 2 

私にとっては、ゴルフⅡ、クサラに続く名車と言えるでしょう。実際に、6年半という長きにわたって1台のクルマを乗り続けたのはこのアクセラが初めて。それほどこのクルマに飽きが来なかったことと、アクセラ以上にコストパフォーマンスを示しそうなクルマが見当たらなかったのであります。

結局は10万kmを直前に、3度目の車検を受けることなくアクセラから軽自動車に乗り換えて現在に至る我がクルマ遍歴。軽自動車に乗り換えた経緯については、以前にこちらで記事にしています。

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まさにあっぺとっぺなクルマ遍歴は、これにて終止符が打たれるのか。それとも単なる経過点に過ぎないのか。それは誰にもわかりませんが、今のところは我が軽自動車に特に不満点がありません。

仮に他に目を向けるとしても、現行のアクセラは大きくて無理ですし、デミオなら15MBの一点買い。ただし、ルノーのトゥインゴにはMTキャンバストップもラインナップされており、サイズ的にもちょうど良いあんばいで楽しそう。一方で、軽自動車のなかではアルトのターボRSやラパンのAGS車に興味津々。いずれにしても、あっぺとっぺなクルマ病が再発しないことを祈るばかりです。

お便り

  1. アクアラインさん より:

    う~ん、久しぶりに来たのでまた興味あるネタに食いつかせていただきます。

    私も免許取って30数年ですが、意外とクルマ歴はそう無いです。
    仙台時代にトヨタ・カリーナ1400DXに始まり、社会人になりSKYLINE JAPAN 2000GT その次に奥さんの三菱ミニカになり、日産Be-1、次に今でも乗ってるいすゞビッグホーンと。私は勝手に職業柄と認識してるのですがひとつのクルマをとにかく長く乗ります。

    今のビッグホーンは既に382,000kmオーバーと地球10周目に入ってますがまだまだ元気です。

    そりゃぁ、お金が余ってればいくらでも買い換えますが、それは無いし。
    ビッグホーン、今年の10月で22歳になりますが致命的な故障が起きない限り、このまま乗り続ける予定です。

    やはり日本人たるもの、世界一の品質を誇る日本車を大事に乗る、日本車の高い品質を身をもって知る、ということが大事かとまたまた勝手な事を言わせていただきました。

    • ジョン万乃助 ジョン万乃助 より:

      アクアラインさん、ご来店ありがとうございます。

      「日産Be-1」とは聞き捨てならないですね(笑)。
      ビッグホーン。実に素晴らしいと思います。私が生のビッグホーンを目にしたのは、おそらく16~7年前が最後。当時のお客様が所有されていた「ビッグホーン・イルムシャー」でした。当時の「いすゞ」はイルムシャーバージョンが多く、確かジェミニにもピアッツァにも用意されていたはずですね。
      それにしても22歳で38万Kmオーバーとは、あまり聞いたことがない数値で感服します。残念ながらいすゞが乗用車を生産しなくなってからだいぶ経ちますが、今でもトラックのフロントに「ISUZU」のロゴを見ると、当時の名車を思い出します。アクアラインさんのビッグホーン。そこまで愛されてとても幸せですね。いすゞの技術者も幸せだろうと思います。