真新しい猫じゃらし

愛するビンゴ伯爵が天国へ旅立ってから、はや3週間以上が過ぎ去りました。「時間が解決する」は当たらずとも遠からず。当初の衝撃的なショックはだいぶ緩和され、今は静かな寂しさだけが漂っています。ずいぶん久しぶりに訪れた、「猫のいない生活」を過ごす日々です。

猫のゴハンを買ってくる手間からは解放され、毎日のトイレ処理からも解放され、嘔吐物を掃除することもなくなり、ワクチンに連れ出すこともなくなりました。

電話中にはニャ~ゴニャ~ゴと邪魔な鳴き声が入ることもなく、夜には勝手に私の布団へ潜り込んでくる邪魔者もいなくなりました。

朝一番の早起きで、早くメシを出してくれと寝ている私の頭をコツンコツンと叩く者もおらず、夜に誰も帰っていない自宅玄関のドアを開けても、ゴハ~ンゴハ~ンと鳴きながら玄関まで出迎える者もいなくなりました。なんて楽な生活なのでしょう。この、猛烈な寂しささえ感じられなければ。

IMG_0091

別れが辛いから動物はもう飼わないという声も聞かれる一方で、早く新たな家族を迎え入れるべきだという声があるのも事実です。私たちもそれほど若くないことを考えれば、猫の一生と付き合わせていただくのもあと1~2回が限界でしょう。そう思うと、いつまでも迷ってはいられません。

IMG_0094

人はなぜ動物と暮らすのでしょうか。喋ることができない動物たちに対して、とかく私たち人間は常に上から目線になりがちで、私たちの寂しさを紛らわすために動物を利用しているのでしょうか。

もちろん、その動機は否定できません。しかし、実際に動物と暮らし始めるにつれ、実は私たちが彼ら動物に飼われているのかもしれないと思うことも少なくないのです。

猫との長い暮らしのなかで、様々なことを学んだような気がします。

動物と暮らす代償として私たちの自由は少し制限され、もちろん費用負担も増えます。日々の生活のなかで見せてくれる可愛い仕草だけでは賄いきれない大きな責任が発生するのですが、それらをすべて乗り越えると、彼らは私たちに様々なことを教え始めるのです。

まさに彼らは、ニャンコ先生。

IMG_0096

真新しい猫じゃらしと、ハウス型ベッド。なにもコレは、天国へ旅立った彼を偲んで用意したものではありません。彼はすでに、多くの仲間たちと元気に過ごしているはずだからです。

これらは、新たに迎え入れることになる家族のために用意した、真新しい猫じゃらしです。

おそらく、そう遠くない時期に我が家へ引っ越してこられる猫、いや、ニャンコ先生のために。