仙台オープン病院食堂

これまでの人生、幸いにも入院を経験したことがありません。風邪で病院へ行くのも年に一度あるかどうか。今のところ、プライベートでは遠い存在に思える病院。しかし、仕事で病院へ足を運ぶことは少なくありません。とは言っても、勇ましく営業に行くわけではなく、お客様へお手続きの書類をお届けするためです。そして本日訪れたのが仙台オープン病院。

その昔は鶴ヶ谷オープン病院と呼んでいた記憶があるこの総合病院。正式には「公益財団法人 仙台市医療センター 仙台オープン病院」とやや長い名称のようですが、数年前に新しく建て直した新病棟が完成し、今ではとても綺麗な病院の一つとしても知られています。

到着したのが13時半で、ちょうどお腹も空いてくる頃です。よし、今日はせっかくの機会なので、食堂があればそこで食べて帰ろうと1階の案内版で食事処を探してみると、ありましたありました。2階にレストランがあるようです。レストラン?どうやら食堂ではなさそうです。いやいや、そんなことよりもまずは仕事。今日は食事を取ることが目的ではありません。

DSC_0108

東北大学病院内にタリーズコーヒーがオープンした時には驚きましたが、今や病院内の食事処や喫茶処の様相も、少しずつ様変わりしつつあるようです。そしてここ仙台オープン病院に設けられた食事処の名は「レストランさくら」。わぉ。なんて、レストランっぽいのでしょう。

ここが病院の中にある食事処だと思わせる唯一の設備は、入り口を入ってすぐのところに置かれた券売機。来店者はショーケースに並べられた見本を見るか、入ってすぐに右側へ貼り出された献立を眺めて自分が食べるものを決め、それを券売機で買ってから席に付くのです。

DSC_0115

DSC_0106

DSC_0112

いくつかにさくら色が施された店内に、淡いグリーン系のクロスが掛けられたテーブル。お揃いの制服を来た女性スタッフの身のこなしも、どちらかと言えばレストランのそれです。

しかし献立は実にバラエティに富んでおり、そばやうどんにラーメン類はもちろん、ハンバーグやカレーにスパゲッティ、海鮮ピラフにとんかつ定食などなど。幅広いご要望にお応えいたします。

こうでなくっちゃ。この食事処は、どちらかと言えば外来者用でしょうから、ある程度のメニューの幅は必要なのかもしれません。今日の私も、レストランなんだからナポリタンでも食べようかと思って店内に入ったのですが、券売機のボタンを押し間違えたのか出てきたのは天丼。病院内とは思えない小奇麗なレストランで天丼をがっついているオヤジ。確信犯でしょう。

DSC_0110

ざっくり見渡した限りでは、450円の「しょうゆラーメン」から760円の「とんかつ定食」あたりまでの価格帯で献立を用意している「レストランさくら」。さすがに揚げ立てとはいきませんでしたが、上手に温められた2本の海老にピーマン、ナス、かき揚げと揃った天丼は720円なり。お腹が空いていたことも手伝ってかとても美味しくいただきましたので、高くもなく安くもなく。

DSC_0117

各病室からも青空が綺麗に見渡せる立地に建つ仙台オープン病院。仮にここに入院したならば、おそらく病院食に飽きた私は先生たちの目を盗んでこのレストランに天丼を食べにくるに違いない。最後の海老のしっぽにかぶりつきながら、そんな想像をふくらませるのでした。