高速道路が無料になったら真っ先に使わせていただこうと考えていた、山形へのさくらんぼ狩り。結局は予定が狂い、お先に何度か仕事で利用したわけですが、さくらんぼ狩りの計画は温めたまま。そして本日、お供に姪のちびっ子を連れて寒河江へと向かったのであります。
まるで東北南部が梅雨明けしたのかと思わせるような晴天のなか、山形自動車道の笹谷トンネルを過ぎて道路上に設置してある気温計はすでに35℃。さすが山形です。中途半端な暑さで私たちを迎えるわけにはいかないということなのでしょう。今年初めて体験する猛暑日。こうも暑いと、じっとしていても汗がしたたり落ち、逆に気持ち良いくらいなのは不思議です。
向かったのは寒河江の「チェリーランド」。だいぶ前の「河北ウイークリー」に載っていたお知らせを、私としては珍しく切り取って保管しておいたのです。
ところで、「寒河江」は「さがえ」と読むのですが、最初に目にするほとんどの人は「さむかわえ」などと読んでしまうようです。
学生時代によく通った喫茶店で働いていた方が寒河江のご出身でしたので、当時から何となく意識的には近い存在だった寒河江。震災後にもお風呂代わりに寒河江の温泉へ2度ほど足を運んだことが、今ではずいぶん昔のことのように思い出されます。
さて、チェリーランド内に設置された「さくらんぼ狩り」専用の受付テントで申し込んでお金も支払った後、それぞれのさくらんぼ農園へと案内されることになります。おそらく組合側で一括しての取りまとめらしく、どこの農園かにかかわらず料金は大人が1,200円で子どもは600円。
クルマで案内される場所もあるようですが、私たちは幸いにも「道路向かいの大沼農園ではいかがですか?歩いてすぐですから」というご案内。ほいほい。これは近くて助かるのであります。
確か30年ほど前に一度だけ経験している「さくらんぼ狩り」。もはやその時の記憶はかなり薄く、雨の日だったということだけは憶えています。まず最初に農園の方から簡単な説明を受けた後、1時間食べ放題のゴングが鳴らされます。それにしても、たわわに実ったさくらんぼ。
仮に目を閉じて手を伸ばしたとしても、確実にさくらんぼへ触れることができるような状態で、まさに「チェリーランド」。いや、これは「チェリーパラダイス」と言えるかもしれません。食べることよりも、ついこの光景に目を奪われてしまうのですが、ここは観賞用ではなく、食べることも目的なのであります。降り注ぐ太陽の光を十分に浴びた、少し生温かいホットさくらんぼ。
手を伸ばしてさくらんぼを狩り、すぐに口へ運んでは種を出す。この繰り返し。いくつかの品種によって酸味や甘みが微妙に違うところも面白いのですが、たまに農園のオジサンが「これは三越ランクだから」と言って赤々とした大粒のものを採ってくれるのは嬉しいサービスです。
この時期だからこそ暑さ対策は必要ですが、十二分に楽しんだ寒河江でのさくらんぼ狩り。おそらく、ゲップがでるほどさくらんぼを食べたのは生まれて初めてかもしれません。とは言え、1時間は費やさずに40分ほどで十分にごちそう様なのです。帰りにはお約束のように温泉に浸かり、すっきり汗を流してから帰路に。まさに「寒河江ざんまい」とも言える一日でした。
本来は支払うはずだった高速道路料金で、3人のさくらんぼ狩りと温泉がまかなえるというありがたい話し。この機会に、まずは地元への理解を深めるために東北各地を訪れてみるのも面白そうです。