平泉の文化遺産

岩手県平泉町。その平泉の文化遺産が世界遺産に登録されたのが昨年の６月。震災によって心が沈む東北に、明るい光をもたらしました。中尊寺や毛越寺などの特別史跡が、文化遺産として正式に登録されたとのことですが、仙台からも決して遠くはない地に「世界遺産」が存在するというのは、よくよく冷静に考えてみると実に素晴らしいこととなったわけであります。

高校時代の日本史は赤点番長だった私でも、「中尊寺」という名は昔から耳にしたことがありました。また、宮城県境から比較的近いこともあって、平泉は私たちにとっても意外に身近な名勝地だったと言えるのかもしれません。確か子供の頃に両親に連れられて１～２度来ているはずですが、当時の記憶が残っているわけもなく、もう一度見ておきたかったのです。

２～３年前に電車の一人旅で平泉を訪れたという父を誘い、３人で仙台をクルマで出発したのがお昼前。途中休憩を取りながらゆっくり走っても、約１時間半で平泉前沢インターチェンジに到着することができました。そこからは10分もかからずに中尊寺前の無料パーキングへ。

中尊寺というぐらいですから、いわゆる「お寺」だということは分かっていたのですが、なにせ歴史の赤点番長ですから、西暦何年に誰がどうしたこうしたということを知っているはずがありません。よって、にわかに覚えたこのお寺の由来をここで説明するのは控えることにしますが、相当に古い史跡にもかかわらず、現在でも天台宗の東北大本山としての寺格なのだそうです。

驚いたのは、その敷地面積です。寺の核心部とも言える本堂を中心に、有名な金色堂はじめ様々なお堂が点在し、それらすべてのお堂群をもって「中尊寺」なのです。今回は季節的なこともあり、どちらかと言えばモノトーンの色彩ばかりが多くに目に入る結果となってしまいましたが、もう少しで訪れる春、そして新緑の季節には、一層素晴らしい中尊寺となるのでしょう。

中尊寺を拝観した後は、クルマを少し移動させて毛越寺へ。JR東日本の「大人の休日倶楽部」で吉永小百合さんが出演されるCM通りのコースです。季節柄なのか池が凍っており、これはこれで今しか見られない風景なのかもしれません。