子供の頃、土曜日になると決まって父がライスカレーを作ってくれたことを思い出します。モノゴコロが付いてから、それは「グリコワンタッチカレー」というチョコレートのような固形のものを溶かして作るらしいということが分かり、カレー=ワンタッチカレーだと思っていました。
おそらく、当時は他のカレールーも販売されていたはずなのですが、なぜか実家では「グリコワンタッチカレー」が定番で、やがてテレビCMで見ることとなる「ハウスバーモントカレー」が少し羨ましく、またカレーライスはライスカレーよりも高級な食べ物だと信じていました。
やがて私も大人になるにつれ、実家で食べ慣れたライスカレーと違う味のカレーを味わう機会が増えるのです。飛び抜けて辛いカレーや、スープのようなさらさらのカレー。また本格的なインド風のカレーやタイ風カレーなどなど。色も、白っぽいモノや緑色系など様々です。
考えてみると、外食でカレーを食べることは極端に少ないかもしれませんが、やはりたまには「カレー臭」にどっぷり浸かりたくなるのです。今やカレー専門店やアジア料理店に行かずとも、牛丼チェーンなどで気軽に食べることができる国民食。先週末に引き続いて本日も食べてしまったわけですが、現代風カレーの「松屋」に対して昔風カレーの「半田屋」でしょうか。
正直に申し上げて、やはり私は昔風カレーが好きなようです。少しさらさらでピリッとくる松屋のカレーは味噌汁付きで350円。一方で、いかにも小麦粉のようなトロっとした半田屋のカレーは210円のプラスとん汁が110円で320円。実に低価格の争いなのですが。
もちろん、少し高級な、エビ味やココナッツ味のカレーも、それはそれで十分に美味しいと感じるわけですが、子供の頃から慣れ親しんできた「ライスカレーを一皿平らげる」という儀式を総合的に考えると、今でもこの玉ねぎがガッツリ入ったトロっとしたカレー臭が好きなのです。