初体験だった仙山線を使っての山形への旅。山形城跡でもある霞城公園をゆっくりと見学した後は、こちらもかねてから是非とも見物したかった「文翔館(ぶんしょうかん)」へ向いました。
この前の道路をクルマで通るたび、その素晴らしい洋風の建築様式を持つ堂々とした佇まいに、横目でチラチラ見ることしか出来なかったのですが、今回はやっと念願が叶ったのです。
途中で富貴豆の元祖「まめや」に立ち寄り、目指す「文翔館」へは霞城公園からゆっくり歩いても10分程度でしょうか。周りには山形市役所や裁判所などが立ち並ぶ官庁街の一画です。
正式には「山形県郷土館」、愛称で「文翔館」と呼ばれるというこちらの建物は、なんと大正5年に建造された「旧山形県庁舎及び県会議事堂」なのだそうです。 大正5年、つまり1916年ですから相当な年月が経っているのですが、長期間による修復も加えられて今もなお健在です。
外観はもちろん、内部においても、とにかく圧巻で素晴らしいという言葉以外見つかりません。この建物は昭和50年まで実際に県庁舎として使用されたそうですが、その後、ここを文化財として保存する為に新しい庁舎を郊外へ追いやったことは、ある意味大英断と言えるかもしれません。
「知事室」や「警察部長室」など、当時使われていた部屋がそのまま見学できるのですが、ほとんどの部屋に暖炉が備わるのも実に興味深いところです。また「座らないで」との注意書きも見当たらない知事室の椅子はおそらく自由に座ってもよく、ほんの10秒間だけ知事気分に浸れました。
さて、この歴史的文化財とも言える文翔館ですが、実に太っ腹で入場は無料なのです。おそらく莫大な修復費用、そして現在の維持管理費なども決して少なくないと容易に想像できますが、それらには山形県民の皆さんの税金が使われるのでしょうか。県外から見学に訪れた私などは大変恐縮してしまうのですが、そこは何とか山形県内で消費税を支払う事しかなさそうです。