秀かつの揚げたてかつ丼

日本を代表する料理の一つだと疑わない「丼モノ」。主食であるご飯の上に、おかずとなる具材を乗せて一つの器に盛られるといった、まさに合理的でシンプルな料理です。

天丼や親子丼、またステーキ丼や鉄火丼など、ご飯に乗せられる具材によってバラエティも広がるわけですが、その中でも「かつ丼」は丼モノの横綱級といっても良いのではないでしょうか。

R0013359

しかし実はこの「かつ丼」。注文を受けてから「かつ」を揚げて作ってくれるお店が意外に多くはないのであります。考えてみれば、とんかつを揚げてから再度卵でとじるという二段階の手間がかかる料理ですので、とんかつは事前に揚げたものを用意しているケースも多いようです。

しかしこれは、どちらが良い悪いという話しではなく、提供されるまでの時間や出来上がりの好みの問題もあるでしょう。ただし個人的には、揚げたての方が圧倒的に美味しいと感じています。事前に用意された(冷めた)かつを使われると、かつを投入してからの煮込み時間を長くされて、食感がぐだぐだになるからです。

R0013362

とんかつ屋に行けば間違いないだろうと、昨年末に仙台市内でも有名かつ老舗のお店でかつ丼を注文したのですが、そこで出てきたのは、残念ながら事前に用意されたとんかつで作られたグチャグチャとしものでした。注文した後にカツの揚げる音が聞こえてこなかったので嫌な予感はしていたのですが、老舗の技としてはあまりも残念すぎて、ブログにも書けなかったのです。

R0013355

それ以来、かつ丼からは少し遠ざかっていたのですが、何かの情報誌に載っていたあるお店が目に留まり、再度リベンジしてみることにしたのです。折立交差点から旧48号線を葛岡の方へ少し走った左側にお店を構える「秀かつ」で、この前の道路はいつも通れど、お店へ伺うのは初めてです。

R0013357

結果は大正解。たまたま厨房が見える場所に座りましたが、注文を受けてから始まった最初の仕事はロース肉のスジ切りでした。創業30年を過ぎたということですから、そろそろ老舗の仲間入りなのかもしれません。850円のかつ丼は、私の財布の薄さから考えると微妙なギリギリの線ですが、揚げたてのとんかつで作ってくださるかつ丼なら迷わずに頼みます。大満足。