軽自動車の初回車検見積もりにおったまげるの巻

2014年の3月あたまに納車された我が愛車。十数台目となる自分の自動車遍歴のなかで初の軽自動車となった自称「くろまめ号」の初回車検が今月末と迫ってまいりました。車検通すの?もちろん。

実はこれほど気に入るとは思っていなかった軽自動車生活。ターボ搭載車を選んだことが正解だったのか動力性能には特に大きな不満もなく、しいて言えば未だにピンとこないコーナリングの姿勢とブレーキの剛性感が頼りないのはご愛嬌。それ以上に満足なのは、何と言っても取り回しの良さです。

狭い駐車場でも頭から突っ込むことができ、ほとんどの道路では一発でUターンが可能。ぴったり寄せて停車していれば他車の邪魔にはなりにくく、基本的に軽自動車で通れない車道もありません。

昨年の9月。4年のリース期間が満了したスバル インプレッサスポーツに代わり、ホンダ ヴェゼルが我が家に納車されました。カミさんが勤める会社から貸与されている営業用の車両であります。

例によって車両の選定には私も積極的に関与したわけですが、残念ながら本当に欲しいと思えるクルマは見当たらないのが実情。4WDが必須で一定予算内となれば、選択肢はさほど多くありません。

私としてイチ押しだったデミオはサイズ的に上長が難色を示したらしく、それならアクセラかヴェゼルの二者択一だろうとなり、結局は予算内での装備と車重で優位に立ったヴェゼルが選ばれました。

そのホンダ ヴェゼル。最下位のグレードで普通のガソリン車なのですが、タッチパネル式のプラズマクラスター搭載フルオートエアコンだったり、パーキングブレーキが電子制御式だったりと、訴求するポイントが随所に見られて実に上手く造られています。客観的にもこれなら売れるだろうと思わせますし、実際に人気の車種なのだとか。ただし私が自腹で買うクルマかと問われれば別問題です。

今は軽自動車に夢中。ヴェゼル同様に運転自体が楽しいクルマではありませんが、運転がはかどることは間違いなく、そのこと自体が愉快で楽しいと思えなくもありません。休日でもヴェゼルの運転機会はほとんど無く、もっぱらくろまめ号が大活躍。私にとってヴェゼルは後部座席専用車なのです。

さて、今回の車検はいろいろと仕事上のからみもあり、いくつか車検の見積もりをとってから進めることになりました。インターネットではさも安そうな謳い文句が目を引きつけますが、実際のところはどうなのでしょう。まずはそのなかから、積極的に車検を受け付けているというガソリンスタンドに予約を入れ、クルマを持ち込んで見積もっていただいたのがこちら。実におったまげる結果です。

出ました出ました。面白いことに、前車(アクセラ)の初回車検時よりも高い見積もりが出ました。まず金額はいいでしょう。それが本当に必要な費用なのであれば。問題なのは、どちらにとって必要な費用なのかです。このクルマの安全性や快適性のために必要な費用なのか、そのお店や会社の売上や利益のために必要な費用なのか。クルマ業界のことですからある程度の予想はしていたものの、何十年経っても相変わらず進化の見えない接客プロセスに、ただただおったまげるしかありません。

ちなみに、我が愛車は昨年の夏にブレーキフルードを交換し、エンジンオイルとオイルエレメントに至っては昨年の12月に交換したばかり。一方で、車検時に交換を考えていた冷却水とCVTフルードは見積もりに登場せず。もしかしたら、そこではATFチェンジャーを持っていないのかもしれません。

見積もりの際にクルマはジャッキアップされていたようですが、いったい何を確認して出してきた明細なのでしょう。おそらくは誰がどのクルマで見積もっても大して変わらない見積書が出てくるに違いなく、このようなやり方でお客との信頼関係を築くことは相当に難しいと言わざるを得ません。

まずは最初にヒアリングをすれば済むことです。車検の見積もりですからクルマを見るのはとても大切ですが、その前に普段のメンテナンス状況などをヒアリングしながら、お客の意向に耳を傾ければ印象は違ってきます。その後でクルマの状況を確認し、お客の言うメンテナンス情報と相当に食い違っておりそれが安全を脅かすようなものであれば、それはしっかりと提案すべきかもしれません。

私も他人のことは言えませんが、実にすっとこどっこいでおったまげる結果となった軽自動車の初回車検見積もり。そう言えば、新車の見積もりに頼んでもいないオプション品やメンテナンスパッケージなどがテンコ盛りされている状況を思い出すわけですが、この業界ではそれが慣例なのでしょう。

お客のタイプも様々です。ある程度のメンテナンスには自分で気を配っているタイプや、それ自体が苦手ですべて人に任せているタイプ。いずれにしても、どんな商売であれコンサルティングの要素を排除するべきではなく、お客が抱えている問題を一緒に解決していく姿勢を見せてお互いの信頼関係を築いていくのだろうと思うのです。世の中それほどYESマンのお客が多いのかと思う一幕でした。