それぞれの標本木 仙台榴岡公園

「標本木」という言葉があります。気象庁で行っている植物の季節観察において、観察する対象となっているそれぞれの木を定めているのだそうで、仙台の桜で言えば、仙台管区気象台の敷地に植えられているソメイヨシノであることはよく知られています。榴岡公園の、道路を挟んで北側に建つ仙台管区気象台。今年は4月7日に開花が発表されましたが、毎年その時期には報道陣が標本木の前に詰めて、5輪以上の開花を確認した係員が携帯電話で上層部に報告する姿が放映されます。

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仙台市内の桜と言えば、何といっても榴岡公園。毎年のことではありますが、やはりここの桜を見ないと落ち着きません。これらは先日の15日に立ち寄った時のものですが、今回は初めに仙台管区気象台の標本木もしっかりと拝んでまいりました。開花から1週間以上が経ち、もはや5輪どころか満開なのはご覧の通り。思えばこの木から始まった仙台の桜の開花。そろそろ見納めでしょうか。

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さすがは榴岡公園。まるで桜の百貨店のようです。西側の宴会エリアでは隙間なくブルーシートが敷き詰められ、大小のグループが桜の下で飲食を楽しんでいます。一方で、東側のエリアでは、お子さんと遊ぶ親御さんや、スケッチに鉛筆を走らせるご婦人。ピクニック気分でお弁当を広げておられるお仲間や、花見麻雀にいそしむご隠居さんグループ。皆さんそれぞれに心地良さそうです。

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おそらく、桜の標本木は私たちがそれぞれ独自に決めているのでしょう。現に、仙台管区気象台の標本木が開花しても、我が家の前の桜並木はツボミのままでした。それぞれの標本木。人によっては近くのお寺の一本桜だったり、または近くの公園の桜だったり、はたまた通勤途中で目にする民家の桜だったり。この桜が開花すればこそ本当の開花宣言。それが、それぞれの標本木です。