以前からどうしても気になっていた食堂がありました。街のど真ん中に、ひっそりとたたずむ一軒の食堂。頻繁に通る交差点の近くにあり、赤信号で止まるたびに献立を眺めては、何となく美味しそうな雰囲気だなぁと思っていたわけです。ちょっと年季が入った町の食堂。いつか立ち寄ってみよう。
東二番丁通りが北へ延びる、いわゆる勾当台通り。北四番丁の交差点からもう一丁ほど北の青葉消防署前交差点を、東北大学農学部方面へ東に折れてすぐのところにある「食事処ふじ松」。とうとうその日が訪れました。絶好の晴天に恵まれた昨日のお昼過ぎ。どう見ても駐車場は無さそうですので、クルマは近くのコインパーキングへ。ワクワクしながらも、なぜか少しだけ緊張気味です。
のれんをくぐったのは13時15分。カウンターにお一人とテーブル席にお二人の先客組は、黙々とお昼ご飯の真っ最中です。いいですか？お店のおっかさんらしき人にお聞きすると、あ、はい・・お昼は１時半までなんです・・。どうやら残り時間が少なくて、あまり歓迎されていない空気感です。
そうですか、それでは出直します。と引き返すほど優しくない私。分かりました、急いで食べます。
定食類はすべて650円。意外にもバラエティに富んだ献立が用意されていますが、今回はゆっくりと選んでいる状況下にはありませんし、実は店内に入る前から食べるものを決めていました。しめさば定食をお願いします。は～い、しめさば定食ね～。これならおそらく出てくるのも早いのでしょう。
お昼の献立類のなかでは異彩を放つ「しめさば定食」。外食で魚類を口に出来るお店は決して多くない昨今、そう言えば、以前に信号待ちの時にも焼き魚定食や煮魚定食の献立が目に入っていました。
そんなことを考えているうちに目の前に運ばれたしめさば定食。おおぉ？ほぼ半身に近いボリューム感。魚のなかでもいわゆる光り物は大好きですが、しめさばを食べるのは実に久しぶりです。
適度に脂の乗ったしめさばと、自家製らしき温とうふ。油揚げと豆腐の味噌汁に、ご飯とたくあん。見るからにヘルスィ～な食事と言えそうですが、そうそう口に出来ない献立にも大満足なのでした。
住所は青葉区上杉２丁目。オフィスビルやマンションに囲まれた一等地に、この食事処ふじ松と、閉店されたらしい成田帽子店がぽつんと目立つのです。お聞きすれば、もう少しで創業40年だというふじ松。それぞれの食堂がそれぞれの常連客に愛されている理由が、このお店にも有りそうです。
