中華飯店 亀恵食堂

クルマであちこち走っていると、視界に入る様々なお店の場所が、何となく頭に入ってきます。一度このお店に入ってみたいなぁとか、あれ?ここの更地にあったお店はなんだったっけ?などなど。

しかし、今回のお店は昨年まで存在すら分かりませんでした。めったに通らない道路沿い、ということもあったのですが、その建物自体が目に入りにくかったという地味な存在だったぁらです。

仙台市内から国道48号線の旧道を西に山形方面へ進み、大崎八幡宮前からさらに進むこと5~6分でしょうか。左側に見えるファッションホテルの隣にたたずむ「中華飯店 亀恵食堂」。これまでもこの前はたまに走っているはずなのですが、お店の存在に気付いたのは昨年末頃のことでした。

今思えば、その時はおそらく定休日か休憩時間だったのでしょう。クルマが1台も停まっていなかったので、てっきり廃業したドライブイン跡(失礼!)だと思っていたのです。その後に通った時に、お店は開いていました。え?ここ、やってんだ!それからの私は興味津々です。

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いつかここへ立ち寄りたいと思っていた念願が、やっと叶いました。一般的に見ればかなり怪しげな雰囲気のお店と言えなくもありませんが、どこか秋保の中華レストラン「龍宝」の雰囲気も無きにしもあらずで実にワクワク。店頭も含めて、クルマを置く場所は十分に用意されています。

さて、少し重めの引き戸を開けると、意外に広い店内が現れます。4人席のテーブルが4台と、その奥には6人用テープルが6台も置かれた座敷が用意されていることから、このお店はおそらくドライブイン風だったことがうかがえます。今も現存する、実に懐かしいドライブインです。

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創業当時からどこも改修されていないと思われる店内。そしてリーズナブルな献立。お店を切り盛りされているのは、70歳前後かと思しきおっかさんと、40歳前後風のお姉さん。足元が冷える店内ながら、想像をくつがえすアットホームな感じの漂う昭和の中華飯店なのです。

なぜか、ここは実に和みます。決して万人が気に入るようなお店ではないのかもしれませんが、私たちがこのようなお店を味わえる時間は、もはやそう長くは残されていません。13時半を過ぎても来店客は途絶えることなく、特にタクシーの乗務員さんが次から次へとやってくるのです。

そして、驚くのがおっかさんの腕前。厨房を仕切る小柄で細腕のおっかさんは、私たちをさほど待たせることなく、注文された料理を次々と繰り出します。いやはや、何とも凄い達人です。

550円のミソラーメンは私にとって十分に美味しいものでしたが、隣のお二人組が召し上がっていたマーボー焼ソバ、そして他にもお二人が注文されていた五目焼ソバも実に美味しそうです。もしや、ここは焼そば系も美味しいのかもしれず、次回の再来店は決定であります。

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お忙しそうでお話しを伺うことは出来ず、後ろ髪を引かれる思いでお店を出て店頭で写真を撮っていると、お姉さんが血相を変えてこちらへ走ってきました。やべやべ。もしかして、写真はNG?

と身構えていたところ、「申し訳ありません。さきほど600円いただいてしまって、50円をお返しします。申し訳ございませんでした。ペコリ。」え?あ・・そう・・だったですか。

こちらこそ、ぼ~っとしてまして、すみません。ペコリ。あ~ビックリした~。お会計の時に600円ですと言われて何も違和感が無かったばかりでなく、それほどこのお店の雰囲気に入り込んでいたのかもしれません。中華飯店亀恵食堂。次回はその歴史を少し探ってみましょう。