虹の橋

ずいぶん久しぶりの更新となってしまいました。このブログを訪れてくださる心優しい皆さまが、その後の事態をそっと見守ってくださっていたことは、久々にブログへログインした私に深い感動を与える結果となっています。先月の末から急激に体調を崩したニャンコ伯爵でしたが、必死の治療の甲斐もなく、先週金曜日の夕刻に天国へと旅立ちました。実に無念であります。

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1993年8月11日生まれ。名前はビンゴ。私たちにとって大当たりに違いないという意味で私が名付けたわけですが、「敏吾」という漢字の当て字も考えた割に俊敏さの無い猫に育ったのは、おそらく私たちののんびりした生活を常に見ていたからなのかもしれません。

生後2ヶ月を過ぎたあたりで私たちが出会ったビンゴ。彼は、たまたま訪れたペットショップの華々しいフロントケージではなく、奥の控え室にいたのです。偶然にも隙間から覗いたところ、奥の方にいたビンゴと目が合ったというカミさん。お願いして奥から出していただき、二人の手と腕をしっかり消毒させられたうえで抱きかかえると、すぐさまお腹を上にゴロゴロとしだしたのです。

ビックリしている私たちに、少しコワモテの男性店長が、この子喜んでいるみたいですよと。結局はその日のうちに彼を連れて帰ることになってしまったわけですが、あの日のことがまるでつい最近のことのように思い出されるのは実に不思議な感覚です。人間と猫との、運命的な出会い。

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丈夫な身体に産んでくれた彼の両親。そして彼と出会ったお店の管理体制のおかげなのか、18年もの長きにわたり健康を維持し続けてくれたビンゴ。残念ながら最終的には老齢での腎不全による尿毒症を防ぐことができなかったわけですが、人間も動物も永遠の命など望むべくもなく、むしろここまで私たちと一緒についてきてくれた彼に最大の感謝を捧げるべきでしょう。

体調の異変から最期の時まで約1週間。これほど彼を見つめたことがあったでしょうか。18年前に初めて出会った時も、おそらくこれほど長時間にわたって彼を見つめ続けたことは無かったはずです。どうか、どうか苦しまないで欲しい。でも、できることならもう少し彼と一緒にいたい。もしかしたら彼も闘病のなか、もう少し私たちと一緒にいたいと思ったのでしょうか。

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私たち夫婦が結婚して7年目の10月(結婚記念月)に出会ったビンゴ。そしてあれから18年。今年は結婚25年の「銀婚」という節目。昨年の9月からは二人揃って外泊することを自粛しており、銀婚の記念旅行もしばらく先に延期しようと話していた矢先。彼は10月10日の銀婚記念日を目前に、まるで私たちに遠慮でもするかのように一人旅立ったのであります。

10月7日の夕刻に、私たち二人が揃って彼の最期を見送ることができたのは、実に苦しくもあり悲しくもあり、一方でそれが彼に対する最後の愛情と感謝の表れだったのかもしれません。

彼が旅立つ数日前。ネットで病状を調べるうちに、偶然にも知ることになった「虹の橋」のお話し。

彼が旅立った10月7日の午前中に、仙台ではとても綺麗で大きな虹が見られたということを知ったのは、その日の夜にローカルニュースの天気予報でその状況を見た時でした。驚いて身体が少し震えましたが、どうやら彼はその日の午前中に、虹の橋へと向かったのでしょう。実に洒落た天国への旅立ち方をしてくれたものです。

最愛なるビンゴ。 どうか安らかに。