人気の中心 番丁ラーメン

昨日のことです。所用があって街に出たのですが、少し遅くなってしまったために、何か食べて帰ろうということになりました。そして、名掛丁をアエル側から入ってすぐ目に付いた看板。「番丁ラーメン」と書かれたその看板に、一瞬足が止まってしまいました。

むむむ・・。どうしましょう。いい?こっくりとカミさんがうなずきます。では、番丁ラーメンを。

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人間を「古い」と表現するのは大変失礼ですが、私も含めて少し古めの人間ならよくご存知の番丁ラーメン。私たちが学生時代の頃、現サンモール一番町沿いに建っていた、確か「松竹ビル」だったか「松竹会館」だったかの地下にあったお店です。現在は1階にドラッグストアを構えるマンションが建っている場所だったでしょうか。看板のロゴは昔と同じものでしょう。

一番町のお店が無くなってからは、ここでラーメンを食べる機会が完全に失われ、それは「伊達らーめん」などと同じように想い出の中に封印していたわけですが、7~8年前に通りすがりに折立で同じ看板を発見。番丁ラーメンのDNAは生きていたのであります。それから様々な情報をたどると、市街地ではこの名掛丁、そして本店は若林区上飯田に構えているとのこと。

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「のれん」の歴史は30数年、もしかしたら40年近いかもしれないこの番丁ラーメン。折立で食べて以来ですから、少なくとも7~8年ぶりということです。しかも、この名掛丁店は初めて。

階段を降りていってのれんをくぐり、ドアを開けてお店へ入る時になぜか少しだけ緊張したのは、学生だった私が番丁ラーメンに入る時に緊張したのをカラダが覚えていた条件反射だったのでしょう。当時、このお店には角刈りでコワモテ風のお兄さんがいたからです。

その頃はおそらく30代のお兄さんだったのでしょうが、学生だった私からすればコワそうな大人の人。現在この名掛丁店を守っていらっしゃる方も30代風ですが、今では私の方がすっかり年齢を重ねてしまったらしく、きっちり働く若き青年と映るところが感慨深いのであります。

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遠い記憶では、一番町にあったお店と似ているような気がするL字型カウンターだけの店内。もしかしたら一番町はコの字型だったでしょうか。

頼んだのはもちろん番丁ラーメン。香ばしく炒められた玉ねぎともやしと挽肉が、少しピリ辛の特製餡かけとゴマ油で仕上げられ、醤油ダレのラーメンに乗っかっています。昔も今も、これこそが番丁ラーメン。

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あれから30年が経ち、様々なラーメンを味わうことができるようになった今、私のようなオールドファンはともかく、はたして若者にこの味は受け入れられるのでしょうか。

実に久しぶりの番丁ラーメンに舌つづみを打ちながら、最後のスープを飲み干そうとした瞬間でした。若いカップルが入ってきて2つの番丁ラーメンをオーダーするのが聞こえ、なぜか少し嬉しくなりました。

さて、番丁ラーメンの「番丁」は、その昔に「一番丁」と書いたことからきているらしいのですが、それを確かめるべく父が収集していたマッチを確認してみたところ、どうも間違いなさそうです。

「一番丁」はもちろん「国分丁」や「東三番丁」といった表記も見られるほど「丁」が標準仕様。

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現在は一番丁ではなく名掛丁に移った番丁ラーメン。久々の味わいを堪能した後にお店を出て階段を上ると、そこはタイムスリップした一番丁の松竹会館・・・というのは一瞬の幻でした。