1979年の音楽

1979年と言えば、私が生まれた年・・。なわけはなく、ムサい男子校で最後の年を送っていた頃です。通っていた高校はどちらかと言えば自由な校風で、先輩諸氏のご努力のおかげで制服も無く、この季節にはリーかリーバイスのジーンズ、そしてサーフブランドのTシャツ、さらに「R」の刺繍が施されたスニーカーで毎日高校へ通っていたのを思い出すのであります。

背伸びして、少し大人に近づきたかったこの頃。仙台へ出てきては、よくロック喫茶やジャズ喫茶などへも通いだした時期で、仙台ではロック喫茶の雄とも言える「ピーターパン」、そして当時本町にあったフュージョン系ロック喫茶の「クリーンリビング」などへ足を運んだのです。

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確かそこで初めて聴いた一枚のアルバム。「ザ・ライターズ」というフュージョングループのもので、ラルフ・マクドナルド氏というパーカッショニストがまとめたグループでした。フュージョンと言えば、ボーカルの入っていない、いわゆるインストルメンタルと呼ばれる楽器演奏のみの楽曲が多かったなかで、このアルバムから聞こえてくるボーカルに何とも新鮮さを感じたのであります。

ピアノから入るイントロ。そしてベースとパーカッションが加わり、やがて入るドラムの次にかぶさるハーモニカの心地良い響き。この「ザ・ライターズ」は、私の知る限り2枚のアルバムを世に残して解散しましたが、2枚目であるこの「ALL IN FUN」のレコードを当時手に入れたことは、今思えば幸いだったのかもしれません。30年経った今でも十分にカッチョ良いのです。

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少しオサレで涼し気なフュージョン系とは別に、本来好きだった脂っぽいソウルやR&Bも、もちろん聴きあさっていた頃です。むしろソウルやR&Bは1970年代が黄金時代だったと言ってもよいでしょう。音的にも、電子楽器が氾濫する前の70年代は自然で心地良く、ホーン部隊やリズム部隊も人件費の掛かりそうな大所帯で、今思えば贅沢な演奏と言えそうです。

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そして、ソウルの女王と言えばアレサ・フランクリン様。当時はエモーションズ様やポインターシスターズ様などにも傾倒していましたが、やはり女王の貫禄は桁違いです。これも1979年の、「La Diva」というアルバム。正直なところ、「ザ・ライターズ」の音と比べてしまうと同じ年代のアレンジには聴こえませんが、あちらは元々楽器の演奏が得意なフュージョングループ、こちらは何と言ってもボーカルが命であります。女王様は、やはりスゴい。

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