とらの子の酸辣湯麺

20年ほど前にハワイにハマっていた頃。ホノルルのチャイナタウンに美味しい中華料理店があり、滞在中に何度か通うほどのお気に入りだったのです。経営していたのはもちろん中国系の方でしたが、日系人も多い土地柄のせいか、餃子や炒飯なども日本人の口に合うものでした。

そこで生まれて初めて口にした一品。メニューには「Hot & Sour Soup」と書いてあったので、おそらく辛くて酸っぱいスープだろうと興味津々で頼んだわけですが、これが実に美味しかったのです。

その後、その「Hot & Sour Soup」は、中国料理(四川料理)の代表的なスープのひとつである「酸辣湯」だということを知ったのは、それからずいぶん後になってからの事であります。

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そのスープである「酸辣湯」に麺を入れたものが「酸辣湯麺」となるわけですが、読み方はお店によって「サンラータンメン」だったり「スーラータンメン」だったり、また「スワンラータンメン」だったりと様々なようですが、共通しているのは辛くて酸っぱくて、とろみがあることでしょう。

豆腐やシイタケ、タケノコ、キクラゲあたりがどのお店でも使う具材ですが、あとはお店によって色々と趣向を凝らしているようです。また片栗粉でとろみをつけることと溶き卵を流し込んで仕上げる点もほとんどのお店で共通しているようですが、酸味や辛味の強さは様々です。

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青葉区中山にある「とらの子」の一品。スープの上に餡かけを乗せただけではなく、スープ全体にとろみがある、まさに「酸辣湯」が基本の正統派「酸辣湯麺」だと言えるのかもしれません。

スープの中から麺を引っぱり出す際に感じる箸の重さが、そのとろみ具合を物語っているのですが、そのおかげで最初から最後まで熱々でいただくことができ、上あごにやけどを負ったのは本当に久しぶりのことでした。

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黒コショウが入っているとはいえ、ラー油の量が控えめでさほど辛くはないここの「酸辣湯麺」。お好みで同時に出される黒酢とテーブルに備わるラー油を加えるとさらに美味しくなるのです。

実は、モール長町にある中嘉屋食堂で出すスーラータンメンも好きで、ぷるんとした豆腐ときぬさやのアクセントが美味しいですし、富谷の桃源花の一品もなかなか食べ応えのあるものでした・・とここまで書いていたら、酸辣湯麺をまた食べたくなってきました。この系統はクセになりますね。

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