今日は梅雨の中休みで、日中には久しぶりに夏の陽射しを少し感じることができました。実家に所用があり午後からクルマで向かったのですが、昼食が未だでしたので途中で何か食べることにしたのです。またコンビニかなぁと考えていたのですが、あ!あそこで食べようと。
県道仙台村田線の菅生地区から「スポーツランドSUGO」の方へ左折し、SUGOを過ぎて少し走ると小さな集落が現れます。この「姥ヶ懐(うばがふところ)」という地区にある蕎麦処です。
「千寿庵」というこのお店には以前にも伺ったことがあるのですが、ちょうど週末で混みあっており、あまりゆっくりすることができませんでした。今日は平日ですのでおそらく大丈夫でしょう。いつもは立食い店で蕎麦を手繰る私ですが、今日はちゃんとお座りしていただけるお店です。
いただいたのは最も基本的な「ざるそば」。外一で打たれた少し太めの田舎蕎麦に切干大根の炒め物、漬物、なますの小鉢が添えられており、これで650円という価格は実に良心的です。
こちらのお店は親父さんが畑で「そば」を育て、購入した玄そばと配合しながらオリジナルの味を追求していらっしゃるそうです。つまり、「手打ち」どころではなく、口に入るまでの工程をすべて自家製で行っていることになるわけですが、そこで想像されるような鼻の高さなどはまったく無く、むしろ一緒に働くご家族含め、謙虚に来訪者をもてなす姿勢はとても心地よいものです。
蕎麦屋の店舗というよりも自宅の改装に近い雰囲気で、店内には座敷やテーブル席も用意されていますが、何と言ってもこの季節の特等席は大きな軒下に備わる店外のテーブル。庭の緑を眺め、心地よい風を感じながら蕎麦を手繰っていると、その手が止まらなくなってしまいました。そこで「さらしな」を小鉢類無しで注文可能かどうか伺うと、快くOKとのこと。
「さらしな」はのど越しよろしくツルツルと入っていきますが、しっかりとしたコシも感じられます。今日は予定外に両方の蕎麦を味わうことになってしまいましたが、風味と食べ応えを求めるなら「田舎蕎麦」、のど越しと手繰るリズムを感じるなら「さらしな」ということになりそうです。その他、店名を冠した「千寿そば」や「合い盛り」、「十割そば」なども用意されています。
普段は小食である私のお腹は、もはやぽんぽこりんです。本当に久しぶりの一人着席昼食。 しかもこの雰囲気と緑と風に後押しされながら、昼食に1,250円も費やしてしまいました。でもまぁ、たまにはいいか・・などと考えながら蕎麦湯を味わっていたら眠くなってきました。
実家にたどり着く前に実家に帰ったような雰囲気。このまま座敷で昼寝が出来れば上出来だったのですが、お願いしたら本当に許してくれそうだったので、逆に言い出せませんでした。