X橋

仙台市街地で思いつく「橋」と言えば、「愛宕大橋」や「広瀬橋」「霊屋橋」などが挙げられます。実際には広瀬川に架かる橋の数だけでも相当数あるのでしょうから、付近の住民の方々以外にはあまり名前を知られていない橋も含めて、橋の数だけその名前も存在するのでしょう。

川に架かる橋ではないのに仙台ではかなり名の知られた橋に、「X橋」という橋があります。仙台駅を軸に南北へ伸びるJR線を横断して手っ取り早く東西の行き来をするには、五橋ガードや北目町ガードをくぐるか、X橋を渡るという選択になるわけで、それぞれの交通量もかなり多く、実際に私も東西の行き来にはどちらかと言うとX橋を使う回数が多いように思います。

この橋が、平成27年の完成を目標に片側3車線(合計6車線)の橋に架け替える計画が進行中だそうで、今年度中にも撤去工事が始まるという話しを聞きました。本当なのでしょうか。

X

これは北側から南側を見た画像で、右側が西口で左側が東口という位置付けになります。ご覧の通り、今は「X」ではなく「Yの変形」のような形になっていますが、アエルが出来る前までは名掛丁アーケード方面へもう一本の道路が伸びていましたので「X」の形だったわけです。

今から30年ほど前、ちょうど私が学生の頃、通称「X橋」近辺は少し怪しげな雰囲気でした。日暮れも近くなると、どこからともなくソノ道らしき女の人たちが現れ始め、X橋から広瀬通り、そして本町付近までその日の仕事を求めて立っていたのでした。X橋付近は戦後からしばらくの間は繁華街として栄えたという歴史があるのだそうで、その余情だったのかもしれません。

この30年で仙台駅近辺も目覚しい発展を遂げ、このX橋もそれを見守ってきたのでしょう。歩行者や自転車がクルマと共存するには確かに危険な状態と言えるX橋は、これまでいったいどれだけの人や車両を通行させてきたのでしょう。その大役を一旦終えようとしています。