食事処 萩や

いつかは立ち寄ってみたいと思いつつ、なかなか実現できないでいるお店がいくつかあるものです。

この「食事処 萩や」もその一つでした。仙台市青葉区の八幡2丁目。いわゆる土橋通り沿いにある小さな食堂なのですが、その店構え自体に私の得意分野的雰囲気がぷんぷんと漂っていたわけです。

対面通行とは言え、さほど広くない土橋通りは、ここを通るクルマの平均速度も遅く、特に「萩や」の先には信号機があるせいで、店頭に貼り出された献立をクルマの中から眺めた回数は数えきれず。

レバニラ定食650円。レバニラ定食650円。レバニラ定食650円。ぜひ挑もうではあ~りませんか。

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時刻は14時ちょい前。ガラガラガラっと引き戸を開ける時が、この手の食堂に初めて挑む際に気持ちが高ぶる瞬間なのです。店構えから想像する通り、店内はカウンター8席だけという小さな空間。

先客は学生さんらしき1名様のみ。いいですか?どうぞ、いらっしゃいませ~。席に着くか着かないかのタイミングで、レバニラ定食をお願いします。初めて訪れたこのお店で何を食べるかは、もう数年前から決めていました。はい、レバニラ・・あ、すみません、今日はレバーが切れてしまって。

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ガッピョ~ン!どうやら筋書き通りにはいかないようです。落ち着け、自分。そこであらためて壁のおすすめを見直し、先頭に書かれていた「肉の梅.チーズ巻き定食」を。これも実に美味しそう。

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大葉に包まれたカリカリ梅とチーズをさらに肉で巻き、パン粉でフライにしてある手作りの一品。

肉の梅.チーズ巻きなのか、梅.チーズの肉巻きなのかは別として、梅のアクセントが油っぽさを和らげて、まったく飽きずにもりもりとゴハンが進むのです。もちろん揚げたてで、味噌汁も熱々。

これは美味しい。いかにも手間がかかりそうな一品ですが、目の前に出されるまでの時間やその様子から推測するに、おそらく注文を受けてから作るのかもしれません。奥の厨房はご主人で、カウンターには奥様でしょうか。どちらもご年配のようですが、息がピッタリ合った雰囲気が感じられます。

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店内に新聞の切り抜き記事が貼ってありました。それによると、ご主人は割烹で板前を経験された後、景気にあまり左右されず安くて美味しいものを食べてもらいたいと、ここに食堂を開かれたと。

南東には東北大学の医学部、北西には東北福祉大学。おそらく学生さんも多く住んでおられる地域なのでしょう。優しそうなご夫婦でこつこつと切り盛りされる「食事処 萩や」。一切の麺類は用意されず、献立も決して多くはありませんが、何を食べても美味しいに違いない。そう感じさせます。

心地よい食堂を見つけました。次は是非ともレバニラ定食を。い~や、750円のてんぷら定食か。