ハンバーグの魔力 レストランカープル

年が明けてまだ7日目だというのに、不思議なもので仕事を始めると正月は過ぎ去った過去のような気持ち。しかし、年末の30日から続いている和食の時間は未だに明けていませんでした。少しずつフェードアウト感はあるものの、正月用に用意した残り物をすべて片付けるまでは和食的食卓が続いていたわけです。あれからそろそろ1週間。洋風で濃厚な味付けが恋しくなってくる頃であります。

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ハンバーグ。そろそろ、ハンバーグなんて、いいんでねー?ほ~れほれ、アッツアツでトッロトロのハンバーグ、食いて~だろ?ほ~れほれ。頭の中でもう一人の自分がつぶやき、その映像を脳に送り込みます。その瞬間、頭の中は熱々のハンバーグの映像で溢れ出し、それは唾液腺を刺激しながら胃袋をぐわんぐわんと揺さぶるのです。参った。参りました。新年の初ハンバーグに行きましょか。

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洋風で濃厚な味付け。しかも、これは肉料理。さらに、同じ挽き肉料理でも、つくね焼や肉だんごとはまったく異なる存在感。やはり子供の頃からすり込まれたハンバーグの魔力は、数十年経った今もなお脈々と生き続けているのかもしれません。考えてみれば実に久しぶりのハンバーグ。その感動の再会にファミレスを外したのは、新年にあたってハンバーグの神様に敬意を払い、そしてそれを調理される職人氏にも尊敬の念を抱くからです。注文した後に、背中方向の厨房から聞こえてくる調理の音。その音で進行具合をイメージしながら待つ時間は、天国である一方で地獄でもあります。

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カミさんは定番のチーズハンバーグを。そして私は、相当に迷った挙句の果てに、ナポリタンにハンバーグが乗ったもの。いや、ここはハンバーグ専門店ですので、ハンバーグの下にナポリタンを敷いたもの。そう訂正すべきでしょう。そしてすぐに始まった新年ハンバーグ祭り。

近くに鏡はありませんでしたが、おそらく満面の笑みであります。熱々でとろとろのハンバーグ、溶けているチーズに自家製のデミグラスソース、そしてナポリタンのケチャップ味。いずれも洋風で濃厚な味付けに違いありません。美味しい・・。うまい・・。これだ。これです。年末年始でしばらく続いた和食づくしの後に、まさに求めていた風味がど真ん中で入ってきた感じです。

そう言えば、美味しいものを食べた後に必ずこう締める友人がいました。馬勝った(美味かった)、べこ負けた。彼がここにいれば、午年にふさわしいネタとして得意げに言っただろう。何十年も会っていないヤツの笑顔をふと思い出したのも、もしかしたらハンバーグの魔力なのかもしれません。