仙台デリース 嵯加露府

その昔、藤崎百貨店の中央通り側近くに「嵯加露府(サカロフ)」という洋菓子店があったことは、以前のブログでも記事にしたことがありました。

私が子供の頃、仙台で親が時々立ち寄った菓子店が「信用堂」か「嵯加露府」でした。 特に「嵯加露府」の「デリース」や「クロカント」...

当時は、わりと名の知れた洋菓子店だったように思いますが、いつの間にか太白区の緑ヶ丘に場所を移し、おそらく自宅兼店舗というカタチで静かに営業を続けておられたようです。その後はなかなかお店へお邪魔できず、口にすることもできませんでした。

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本日の午後、用足しにカミさんと街ナカへ出掛けました。帰りがけに藤崎百貨店の地下に立ち寄り、何か甘いものでもと物色することに。たまには支倉焼なんてシブいんじゃね?いやいや、菓匠三全のロワイヤルテラッセでしょう。などと思いを巡らせながらウロウロしていると、カミさんが急に立ち止まって何かを買おうとしています。戻って近づいてみると、どうやら本人が大好物のココナッツスフレを見つけた様子。なるほど美味しそうです。へ~。ここは何という菓子店なのだろうと思いながらショーケースに並んだお菓子に目を移すと、どこかで見覚えのある物が。ええ?嵯加露府?

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驚きました。あの嵯加露府です。お聞きすると、今年の9月からここ藤崎百貨店の地下に小さな常設店舗を構えられたとのこと。場所はちょうど「ふじや千舟支倉焼」の前あたりで、常設店舗というよりは常設ケースというほどの小さなスペース。しかし、専属でお二人の販売員がいらっしゃることから、ここは正式に嵯加露府の一番町支店と言っても良いでしょう。何だかとても嬉しくなりました。

嵯加露府の主役とも言えるデリースは、以前のパッケージをリニューアルしたのか「仙台デリース」となっています。古き良き時代からここ仙台で営業されてこられた嵯加露府が、自らの看板商品に仙台と付け加えるのは大賛成であります。くしくも、ここ藤崎百貨店のお近くから一旦は退いた嵯加露府が、ある年月を経てまた一番町へ舞い戻って来られた。そんな小さなドラマも感じるのでした。

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偶然にも嵯加露府と再会してしまったせいで、残念ながら次点となってしまった支倉焼とロワイヤルテラッセ。いずれも仙台を代表するお菓子で、嵯加露府の仙台デリースやクロカントと並んで個人的にも太鼓判の一品です。ロワイヤルテラッセはやや現代風とも言えそうですが、支倉焼や仙台デリースはなんとも昭和風のお菓子。洒落たエスプレッソ系などではなく、できることなら「日東紅茶」あたりをお供にしていただきたい。そんな嵯加露府の仙台デリース。隠れた仙台銘品かもしれません。