正左ェ門 牡蠣天ぷらそば

牡蠣が好きです。ずいぶん前に、とんでもない量の生牡蠣を食べてマーライオンになったほど、牡蠣が好きです。この時は牡蠣に「当たった」ということではなく、おそらく亜鉛の摂り過ぎだったのかもしれません。どうやら私は鈍感な胃腸を持ち合わせているらしく、牡蠣に限らずこれまで生モノに当たったためしがありません。引くのはいつも外れクジばかり。しかし、美味しければ良いのです。

たまに外食チェーン店などで「広島産牡蠣フライ!」といったようなノボリを目にすることがあります。いやいやちょっと待ってくださいよ。ここ宮城県で、ずいぶんといい度胸をしているじゃありませんか。なにもはるばる広島から牡蠣フライを冷凍にしてまで運ばなくとも。と感じるのは私だけでしょうか。もちろん広島産の牡蠣も美味しいのでしょう。以前に山形の鶴岡でいただいた岩牡蠣も実に美味しかったわけです。しかし、私たちにとって牡蠣はやっぱり宮城県産なのであります。

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先週の凍えるような午後に、一杯の五目そばで冷えきった身体を温めたことがありました。柏木の「正左ェ門」でのお話しでしたが、その時に店内の壁に貼ってあった一枚の献立には、こう書いてありました。「牡蠣天ぷらそば 1100円」。なんだがずいぶん美味しそうだなぁ。しかし、足軽のぶんざいでは安々と手が出る昼食の予算ではありません。どんなんだろうな~。美味しいだろうな~。

そう思いながらも、あの時は787円の五目そばが実に美味しかったわけですが、いつか出世したら夜にでも「牡蠣天ぷらそば」を食べてみたいと思っていたわけです。いつか、いつの日か出世したら。

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すぐに出世しました。あの後、ここ「正左ェ門」の牡蠣そばが美味しいぞという情報も寄せられ、ちょうど先週末に一人夜ゴハンの機会も与えられ、これは急きょ出世せざるを得ない状況になってしまったのであります。店内に入って席に着き、お茶が運ばれるやいなや「牡蠣天ぷらそば」をお願いします!と言った私の表情は、おそらくどこかニヤついたキモいオヤジ風だったに違いありません。

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旨い。旨すぎます。念願の「牡蠣天ぷらそば」。ここの「天ぷらそば」と同様に、別盛りで出される牡蠣の天ぷらはそのまま塩でいただくもよし、そばに入れていただくもよし。牡蠣の揚げ物と言えば圧倒的に「牡蠣フライ」が知られているわけですが、天ぷらもなかなかどうして美味しいのです。

広島産にしてはチョッと小ぶり。宮城産だとしたら十分に立派な大きさ。さて、これはどっちなのでしょうか。もちろん私にはその味を見分けることなど出来ないわけですが、美味しければそれで良いでしょう。この日も氷点下の夜。牡蠣天ぷらそばで、身も心も温まったのは言うまでもありません。