ふじや

「ふじや」と聞いてすぐに思いつくのは、ペコちゃんの「不二家」か、ワンタンメンの「富士屋」。しかし、この「ふじや」は、ワンタンメンの用意こそあれどカップルがスイーツ類を目当てに訪れるようなカフェではありません。以前から是非とも立ち寄ってみたかった路地裏の食堂。本日にやっと念願が叶いました。この手の食堂は久しぶりゆえ、武者震いがしてくるようです。

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場所は、仙台市宮城野区宮千代3丁目。新寺通りを六丁の目方面へ東に進み、宮城野陸橋を越してさらに宮城の萩大通りを通り越し、左側のトヨタレンタリースを見過ごしてパチンコ屋さんの手前の一通を左折して一本目をまた左折。少し分かりにくい、裏通りの食堂なのです。

それにしてもシブすぎる店構え。テントや看板に書かれた黒文字以外は、もはや色が飛んでしまって解読しにくい状況です。すでに突入の時間で発射台に乗っているはずなのに、今日に限ってなかなかクルマを降りようとしない私。体調のせいなのか、実はおじけづいたのか。

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ガラガラっとアルミの引き戸から店内に入ると、そこには決して広くない昭和食堂の世界が待ち受けていました。4人がけのテーブルが5台で定員は20名。興味深いのは壁に掲げられた「定」と記された献立で、用意出来る食事とその価格を文字通り定めたものなのでしょう。

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内容はそばやうどんが中心ですが、中華類や丼物も用意されたなかから本日の昼食に選んだのは、もちろんお口に優しい「卵とじそば」。このフワフワ感を出すのが意外に簡単ではないことを知っていますので、一口だけ食べた瞬間にタダモノではない雰囲気を感じるのです。

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思わず通り過ぎそうな店構えの「ふじや」。しかし、中身は創業30年だという正統な町の食堂でした。入れ替わり途絶えることがない来店客の注文を、おそらくご家族だけで切り盛りされているのでしょう。何とも落ち着きの良い店内。そして食後にはサービスのコーヒーまで提供されます。次にはしっかり体調を整えて、是非ともカツ丼をやっつけてみることにします。