大石田町 そば座敷 平吉

あっという間にお盆も過ぎ去り、そろそろ秋の気配が近づく頃かと感じられる今日この頃ですが、容赦の無い残暑と雷雨をともなった変わりやすい天候だけは続いたままです。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますから、およそ1ヶ月以上はこの残暑を覚悟しておくべきなのでしょう。

せっかくのお盆休みをぐだぐだとしていたせいか、ここいらで一発どこかへ出掛けようということになりました。遠くもなく近くもなく。しかも、これまで行ったことのないところへ向かってみたい。カミさんからは、たまには事前に計画を練ろとの指示が。いや~ん。私の好きな言葉は、アドリブ、行き当たりばったり、あっぺとっぺ。風の流れに乗るのが好きなのであります。

とは言え、久しぶりの行楽ですので大きく外すわけにもまいりません。分かりました。少し調べましょう。決まりました。行き先は、山形県北村山郡大石田町です。は?はい、大石田町です。

先日に仙台朝市で手に入れた福島産の桃が尋常ではない美味しさだったので、飯坂温泉に入って桃を買い占めるというプランも考えたのですが、上りの高速道路渋滞が予測されたために却下。ということで、次点の山形でそばと温泉という有りがちな話しに落ち着いたわけです。

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山形でそばと温泉。これは、おそらく山形県の全市町村で実現可能なプランなのかもしれません。そこで、今回はピンポイントで行き先を一箇所に絞ってみたのです。グーグルマップを見ながら何となく目に付いたのが、北村山郡大石田町。たしか蕎麦では有名な地域なはずです。

実に多くのそば店があるなかで、「次年子」という地区に位置する一軒のそば処を目指して家を出発したのがお昼ちょうど。宮城ICから山形北ICまでは高速で。あとはひたすら下道で目的地に向かいます。そして到着したのが14時頃。お腹の空き具合も絶妙な加減です。

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「そば座敷 平吉」。この次年子地区には有名な食べ放題のお店もありましたが、できれば混雑しないところでゆっくり食べたいと、当てずっぽうで選んだそば処です。古い農家の自宅を開放したような造りで、昼時を大幅に過ぎていたせいか先客は1組3名。実に良い雰囲気です。

頼んだのは「そば膳」。先に前菜が出され、次にもりそばと薬味が乗った小盛のぶっかけそばが運ばれます。そして「かいもち」と呼ばれるいわゆる「そばがき」の揚げ出しに続いて最後は「かいもち」入りのおしるこ。まさに「そばづくし」とも言えるこの「そば膳」は1,200円也。

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あれほど空いていたお腹でしたが、この「そば膳」を食べ終えた頃にはパンパンに膨らんで元に戻っています。それにしても実に工夫が凝らされたそば料理で、とても美味しくボリュームのあるお膳でした。次年子地区のなかでは4年目と新しいそば処だとのことですが、地区のことを親切に教えてくださる奥様や、庭で道具を手入れされるご主人は、実に優しいお人柄です。

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なんだか、夏休みに田舎の親戚の家へ遊びに来て、ついでに手打ちのそばをご馳走になったような感覚の「そば座敷 平吉」。すっかり満足した後に大石田町内へ下って行き、あらためて次年子地区の標高と距離を理解したわけです。仮にこの地区で冬季に子供が生まれたとしても、雪が溶ける次の年の春になってから出生届を出すことから付いたとされる「次年子」という地名。

この次年子地区でもそば処は他に数軒。ふもとの町内にも何軒かのそば処が連なる、いわゆる「そば街道」を有する大石田町。かの最上川にも恵まれ、とても美しい自然に囲まれた町に見えます。帰りはもちろん、大石田温泉の「あったまりランド」でひとっ風呂なのでした。

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施設の前にある地産品の直売所でメロンや野菜を物色していると、生産者のおばさんも大石田町のことを教えてくださいます。ここは本当にいい町ですね~。んだべした~。えぇ?何々べした~って言うんですか?仙台でも言いますよ、それ!あら、んだが。こごでも言うんだべした~。うわぁ、同じなんですね。んだべした~、仙台はお隣りさんだべした~。

最後まで笑顔に包まれた山形県北村山郡大石田町へのドライブ。帰りは国道48号線の関山峠を通り、18時には自宅へ到着。走行距離が203km。周遊時間は約6時間の旅でした。