肉そば いろは本店

今日は少し早く家を出て一路山形へ。仙台から西へ向かうにつれて空は少しずつ青くなり、笹谷トンネルを出たらそこはもう青空の下。気温も徐々に上がっていったようですが、湿度が高くないせいか意外にもすっきりとした風が初夏を感じさせます。こんな気持ちの良い日に山形で食べる昼食は「冷たい肉そば」に決まっています。山形県の条例ですから(ウソ)。

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上山市で無事に仕事を終えたのがお昼前。さて、今日は思い切って河北町まで足を伸ばしてみましょう。目的は以前から気になっていた「いろは本店」です。肉そば通のハナシによると、同じ河北町の「一寸亭」と「いろは」が二大肉そば店なのだそうで、微妙に違うそれぞれの味わいに対して「一寸亭派」と「いろは派」に別れるのだとか。これは興味深い話しです。

10年ほど前に「一寸亭支店」で初めて冷たい肉そばをいただいたことがあるのですが、「いろは」では未だに食べたことがありません。よって、その違いがずっと気になっていたのです。

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お邪魔したのは13時半過ぎ。念願の「いろは本店」です。途中で通った「一寸亭支店」か「いろは支店」に寄ってしまおうかとも思ったのですが、いやいや今回は初志貫徹。「本店」という響きには何となく魅せられます。おそらく50人以上は入れそうな広い店内は、時間的にも比較的空いていましたが、常連さんらしき人やサラリーマンらしき人。皆さん肉そばです。

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やがて運ばれてきた「いろは本店」の冷たい肉そば。冷たいと言っても冷し中華のようにスープがキンキンに冷やされているわけではなく、常温よりも少し冷えているかどうかです。

お約束の2ミリ程度にスライスされた鶏肉は、まるで地鶏のような歯応えで、噛めば噛むほどタレと鶏肉の味わいが口の中に広がります。蕎麦は少し縮れ気味の特徴的な麺で、こちらもコシがあって食べごたえは十分。やはり私はこの味わいが好きなのでしょう。美味しい!

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テーブルに置いてあった新聞の切り抜きを見たところ、「いろは」も「一寸亭」も大正時代の創業なのだそうで、まさに地元の老舗店として昔から親しまれてきたようです。やっと念願が叶っていただくことができた「いろは本店」の冷たい肉そば。で?どちらが旨いのでしょう。

それは分かりません。なぜならば、河北町「一寸亭」の味わいを忘れかけているからです。蕎麦は「一寸亭」の方がもっと固くてワイルドだったような記憶ですが、それも定かではありません。

十二分に満足させていただいて「いろは本店」を後に。帰りがけにまた「一寸亭支店」の前を通りながら横目でチラリ。次回にはまた「一寸亭」。その決意で関山峠へと向かいました。