かき小屋仙台港

先月の末に父親と出掛けた際には残念ながら休業だった石巻の「かき小屋渡波」。その時に対応してくださったお兄さんから、4月の上旬に仙台でもかき小屋をオープンしますよという情報を得ていました。結局は先週の14日に仙台のかき小屋が無事にオープンしたということはネットなどの情報でも目に入り、他人事ながら何となく胸を撫で下ろしたのであります。

その経緯を話していた古い友人は、無類のかき好き。特別にかきだけが好きというよりも、今度生まれ変わる時には「貝」になりたいと言っているほど「貝類」が好きなのだそうです。

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もし彼が「貝」に生まれ変わったら私が食べることにしますが、まずはそうなる前に「かき」を食べに行こうとなったのは当然の成り行きです。友人と待ち合わせをして向かった先は、仙台港近くにあるその名も「かき小屋仙台港」。国道45号線からキリンビール仙台工場方面へと向かう途中に設営されたテント式の「かき小屋」で、これは石巻の渡波もまったく同じでした。

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到着したのは13時半過ぎ。平日ということで空いている様子でしたが、驚いたのは渡波で対応してくれたお兄さんが、なんと店長としてこちらにいらっしゃったのです。

あ!むこうも、あ!あれれ?こっちに?そうなんです。渡波は今シーズンのかきが終わってしまったらしく、しばらくはこちらに専念して頑張りますと、笑顔で嬉しそうに話してくれました。

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さて、産地から届けられた「かき」は、外で作業するイケメンのお兄さんたちの手によって、丁寧に汚れが取り払われて出番を待ちます。唐桑産と石巻長面産が、それぞれどちらも8個入で一盛り千円。炭代が焼き場1台につき300円。ナイフが100円。すべて前払いです。

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とりあえず両方の産地を一盛りずついただき、さっそく網にのせて蓋をして、砂時計をセットしてから鼻歌交じりに5分間。まだかなまだかなー。ときおり、パキン!と熱で殻の弾ける音がします。無料でお借りできる軍手をはめながら、そろそろ割り箸も準備しておきましょうか。

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結論から申し上げると、最高に旨い!もうこれしか言えません。熱で口が開く「かき」はそのまま手でパカっと殻を取り、閉じたままのヤツはナイフを挿してクルっとひねりながらこじ開けます。脇には醤油とポン酢が用意されていますが、海水の塩気で十分にいただけます。

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唐桑産は火が通りやすいのか実に香ばしく仕上がり、少し焼き過ぎても美味しさが変わりません。一方で上の写真はすべて石巻長面産。これがまたプリプリっとした身の入りで熱々の焼き汁がたまらなく美味しく、さらに少し醤油をたらすことで実に香ばしく焼きあがります。

これはもう止まらなくなりそうでヤバいでしょうと、途中でおにぎりを胃袋へ。もう一盛りだけということで石巻産を追加。結局は2人で3盛りを平らげて、来世貝類の友人も大満足の様子。私たちの見解では、この美味しさは想像以上だったということで一致したのであります。

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お一人様が約2千円だった今日の「かき奉行」。これが高いか安いかは分かりませんが、年中は食べられない季節モノで、しかもこの美味しさなら十分に納得できます。食い逃げができないシステムだということが実に残念ですが、すでに次はいつ行きますか?という話題も。

店長さんの話しでは、このテント小屋は年中の常設にして、「かき」が終わってもホタテやウニなどの海の幸で運営したいと。そこでどうしても気になるのは父親のこと。私だけが抜けがけして先に食べてしまいましたので、来週にでも父親を連れてこなければバチが当たりそうです。