宮城県産生かき

今年はおそらく例年の1割程度だろう。ニュースの報道などでそう耳にしていた宮城県産のかき。これは見つけたら即買いだと決めていたわけですが、一昨日にイオン店内の鮮魚コーナーで並んでいた宮城県産生かきを目にし、無条件に手が伸びてしまったのであります。

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それにしても、生食用の宮城県産かきが販売されているとは、水産業にはまったく無関係な一般県民の一人である私でさえも、この光景は何となく感無量です。100gで398円。タスマニアビーフよりも安い価格は、幾多の困難を乗り越え、また関係者の必死のご努力の末にお店へ並んだ宮城県産かきと考えれば、むしろ安価すぎるような気もするのです。

隣りの売り場には韓国産のかきが150gで398円。カミさんが韓流スターにハマっているのは間違いありませんが、こと「かき」に関しては宮城県産を選ばせていただきましょう。

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考えてみれば、宮城県民の私たちは恵まれていたのかもしれません。亡き祖父母の好物だったこともあって、私が小さい頃から旬になると「かきフライ」が食卓に並んでいたのを思い出しますが、ガンコな祖父は「かき徳」のかきじゃなきゃダメだ!ということだったらしく、父母が仙台へ出かけた休日の晩に「かきフライ」の夕食が多かったことを憶えているのであります。

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さて、これは生食用ですから、もちろん生でそのままいただいても美味しいのですが、個人的に「かき」は少し火を入れると一層風味が増すような気がしています。しかし、「かきフライ」は面倒なので、それよりも手軽に作ってしまうもの。塩コショウをした「かき」に小麦粉をたたいてバターでサッと焼くだけ。表面はカリッと、中はとろとろのレア状態がベストなのです。

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焼き上げ寸前に醤油を一たらし。そして熱々を口へ運ぶと、これはもう悶絶するくらい抜群の美味しさ。これほど簡単な調理で美味しいのは、もちろん私の腕ではなく「宮城県産生かき」だからこそなのです。生食用に火を入れる贅沢さ。これも私たち宮城県民の特権なのかもしれません。今年は、あとどれくらいの「かき」が食べられるのかは分かりませんが、見つけたら即買いという鉄則は、本来のシーズンでもあるこの季節になってしばらく続きそうです。