村田町 蔵の陶器市 2011

気が付けば10月も半ば。このところ外出する機会も無かったのですが、家に閉じこもってばかりいても息が詰まるばかりですので、気晴らしも兼ねて出掛けてみることにしました。

村田町で開催されている「蔵の陶器市」。今年は先の震災で多くの蔵が被災したために開催が危ぶまれましたが、例年よりも少し規模を縮小して無事に開催されることになったようです。

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ここ数年にわたって毎年お邪魔している蔵の陶器市。実は決して陶器ファンというわけでもないのですが、芸術家が作り出す作品の一つ一つを手にとって見ていると、何とも言えない人間味のある世界を感じ取ることが出来るような気がするのです。機械が同一のモノを大量に作る世界とはまったく異なる温かみ。人間の手を通して生み出される唯一無二の器。

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昨日の金曜日から明日までの開催と聞いていましたので、天気予報では雨降りの予想だった今日を避けて明日にしようと思っていたのですが、急きょ雨が上がったために本日へ変更。昨日は好天にも恵まれて多くの人で賑わったそうですが、今日もなかなかの盛況ぶりです。

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例年よりも20ほどの窯元が少ないなかでの開催となったようですが、やはり震災の影響で作品を展示する出店スペースが限られてしまったのでしょう。歴史的建造物でもある蔵に大きな被害が出たのは実に痛ましい限りですが、それでも約50の窯元が集結してこれだけの規模で開催されたのはご立派と言うほかなく、関係者各位のご努力に頭が下がる思いです。

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さきほど「毎年お邪魔している」という謙虚な言い方をしてしまいましたが、実のところ村田町は実家のある町。つまり私が生まれ育った町。いや、育てていただいた町というべきかもしれません。すでに、この町より住民票を移してからの時間の方が長くなってしまいましたが、やはり地元ですから目を閉じてでも歩くことができるわけです。今日も後輩に会えばエラそうに振る舞い、先輩にお会いすればペコペコし、陶器をながめるのと同様に忙しいのであります。

そのなかで、今回どうしてもお邪魔したかったのが、ここ「かねしょう商店」。子供の頃、正月のお年玉を貰うと初売でまっ先に訪れたお店でした。当時は文房具などの他にプラモデルを販売していた「かねしょう商店」。お年玉でプラモデルを買って冬休みの間に完成させるというのが唯一の楽しみだった小学生の頃。今でも鮮明に憶えている懐かしい思い出です。

こちらでも裏の2棟の蔵に被害が及び、致し方なく解体されたようですが、路面に建つ部分は何とか持ちこたえ、その2階に無料の私設博物館を作られたということを以前のニュースで耳にしていました。そしてこの機会に、是非ともタイムマシンに乗りたかったわけです。

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実に懐かしい道具類が、とても綺麗な状態で保存されていることに驚きましたが、それよりもさらに驚いたのが、ご主人と奥様が私のことを憶えてくださっていたことです。当時は「かねしょうのおんつぁん」と言っていたはずですが、さすがにこの歳になってそうはお呼びできません。

残念ながら現在はプラモデルを販売しておられないそうですが、当時のお話しなどでしばし歓談させていただいた後に、再びタイムマシンで帰路につきました。

こういった昔の道具や生活様式に興味を持つのは私だけではないはずで、この私設博物館のような在り方は、非常に意義のあることかもしれません。この町にはまだまだお宝が眠っているはずです。

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毎年少しずつ購入していた山元町の窯元。震災の影響がとても心配でしたが、嬉しいことに今年もお会いすることができました。我が家にとっては年に一度の食器を揃える機会でもある蔵の陶器市。高級な器を購入することなどとても出来ませんが、数百円から千円前後の実用的な作品を5つの窯元から手に入れたことは、気晴らしにも十分すぎるほどの楽しい時間でした。

昨年の様子はこちらから。

今回で10回目を数えるという「蔵の陶器市」。今年も15日、16日、17日の3日間、県南の小さな町である「村田町」で開催されました。1...