リバースギア

先月の末、スタッドレスタイヤを盗まれました。アルミホイール付きのまま。

私の住む集合住宅に備えられている共同タイヤラックに置かれていた数十本のタイヤが根こそぎ盗難にあったもので、そこに私のモノも含まれていたというわけです。犯行が明らかになって騒がれていた時期はちょうどニャンコ伯爵の病状が悪化していた頃で、盗難の件は後回しになっていたのです。

落ち着いてあらためて考えてみると、まさに踏んだり蹴ったり。傷口に塩を塗られるとはこのことであります。4本のタイヤをチェーンでくくっていた人たちの数セットは無事だったのですが、バラで置かれていたタイヤは見事にスッカラカン。もちろん、防犯対策を施していなかったこちら側の落ち度は十分に反省すべきところですが、ひと様の所有物を盗ってはいけません。

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泥棒にも階級があるのかもしれません。私の勝手なイメージでは、万引き、こそどろ、盗っ人、泥棒、窃盗、強盗、怪盗となり、例えば、高級宝飾店などで誰一人も傷つけずに、目の飛び出るような高額商品をサラっと盗むのが怪盗。まさにルパンのように知的な雰囲気さえ感じてしまう、泥棒家業ではトップクラスの人たちです。しかし、今回はこそどろでした。

すでに手に入れた数十本の収穫で止めておけば良いものを、今月に入ってからの早朝に、4本くくりのタイヤを切って盗ろうとしていたところを早起きの住人に見つかり、乗ってきたクルマを放置して逃げたらしいのです。もちろん警察はそのクルマを押さえ、中からは2セットのタイヤが出てきたところで所有者を割り出して御用となり、一連の犯行とも関わりがあるらしいということに。

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捜査中とのことで警察は情報を開示しませんが、盗られたタイヤが戻ってくる可能性は著しく低いでしょう。私のスタッドレスタイヤはすでに4シーズンを経過したもので、今年は新調すべきかどうかを考えていたわけですが、アルミホイールまで持っていかれたのは古タイヤの処分料を差し引いても痛い結果と言わざるを得ません。今回のこそどろ君の仕業に、ため息が倍増です。

怪盗クラスを除いては、まったく割りに合わない仕事だということを、彼らは早く理解すべきです。おそらく今回の成果も、せいぜい十数万円いくかどうかの出来高でしょう。たまにニュースなどで流れるコンビニ強盗などは、3万円前後の出来高で一生を棒に振る覚悟で事に挑むわけです。そのコンビニで40時間のアルバイトをして得る3万円の価値に、魅力は無いのでしょうか。

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20年ぶりのMT(マニュアルトランスミッション)車に乗り出して早4年。左手と左足が忙しく、運転中にスマートフォンをイジるヒマなど無いわけですが、そのぶん運転に集中できて注意力が増しているかもしれません。

手動で変速ギアを操る楽しさや、アクセルと動力とのダイレクト感が実に心地よく、運転に飽きが来ないあっという間の4年。もうしばらくはMTを楽しみます。

そして、もちろんMT車にも備えられている「R」マークのリバースギア。一日のなかでこの「R」をまったく使わない日は無いわけですが、考えてみれば「R」に入れっぱなしで5分も10分も走ることはなく、それは前進するための前準備にチョッとだけ使うのです。

あのこそどろ君は、「R」に入れっぱなしでしばらく走ってしまったようです。前進するには少し大きな動力が必要でしょうが、前準備はもう十分。社会に役立つ人生を前進し続けて欲しいものです。