シェ・パパ

このところずっと向かい風が続いていたのですが、そろそろ自ら風向きを変えていかなければなりません。と思っていたところへ、さっそく追い風らしきハナシが。いつもお世話になっている知人から夕食のお誘いです。

本人が勤めている会社で昨年末にゲットしたというインセンティブの予算で、是非とも食事をご馳走したいと申し出をいただいていたのが今年の春先のことです。

いやいや、こっちは直接関係が無いのだから、ご夫婦で是非どこかに行ってくださいと聞こえないフリをしていたのですが、どうも本気らしくお断りもできない状況になってきたのです。

しかも、知人の奥様がフランス料理を食べたいと待ち焦がれているという話しを聞いて、それではお言葉に甘え、楽しい夕食のひとときを過ごしましょうかと予約したのが、国分町の「シェ・パパ」。

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ちょうどお店から「秋の収穫感謝祭」という特別メニューのご案内ハガキをいただいていたので、そのコースを4名で事前に予約のうえ昨夜に出かけたのですが、駐車場にクルマを置いて待ち合わせ場所へ向かう途中に、もはや空腹すぎてお腹がギュルギュル。

チョッとだけ、牛丼でも食べてから行く?カミさんにそう言ってみると、頼むから冗談は顔だけにしてくれと。うわっ、懐かしいツッコミですこと。

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金曜の夜ということもあってか、店内はやがて満席状態に。私たちは19時半からの予約でしたので、ほぼ最後の着席組となったようです。ここでの食事中には「銃刀法違反」を問われることは無さそうですが、考えてみれば物騒な「刀」と「槍」を使っての食事は、ずいぶん久しぶりのことです。

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やはり、料理人は芸術家なのだとつくづく感じるのです。キャンバスに絵を描く人、喉や楽器で音楽を奏でる人、土から器を創り出す人などなど。料理人も、そういった芸術家とまったく同じように、私たちに感動を与えてくれる立場にあるのでしょう。創り出すものがラーメンであれ蕎麦であれ、中国料理であれ和食であれ、皿や椀に描く芸術。そしてその味も芸術品です。

私は料理評論家ではありませんので、詳しいことを説明する術を知りませんが、とにかく同席の4人から「美味しい」という言葉以外は聞かれませんでした。おそらく綿密なプランを経て登場した今回のコース料理なのでしょうが、満席ということもありオーナーシェフはじめ各持ち場のスタッフもフル回転。それでも満足させていただけるのが、プロフェッショナルの仕事です。

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不思議なことに、美味しい食事には楽しく明るい話題しかテーブルに乗りません。美味しいものを食べていると、人は幸せを感じるからなのでしょう。

「シェ・パパ」のオーナーシェフいわく、今回の収穫感謝祭は、もちろん顧客への感謝だけではなく、自然への感謝、生産者への感謝といった意味も含まれているようです。それに加えて私は、楽しくて美味しい時間を過ごさせていただいたお店への感謝と、もちろん知人夫妻への感謝を忘れるわけにはいきません。