大手スーパーの節電アクション

鳴り物入りのごとく始まった今年の節電アクション。ようやく暑さのピークも過ぎ去り、政府の掲げた節電期間は大きな問題も起こらず無事に終了したようです。もちろん、今後も無駄な電気は使わずに、可能な限り節電を続けていくことは実に良いことだと思うわけで、私たちは今回の節電アクションプランで、その様々なノウハウを習得したと言えるのかもしれません。

この夏、多くのスーパーマーケットや飲食店などでもエアコンの温度調整がなされ、そして照明が落され、さらには店内の電気設備のスイッチも切られました。照明に関しては、むしろこれまでが明るすぎたとも言え、照度が落された節電期間中でも、私たちは暗闇のなか手探りでの買い物を強いられることはありませんでした。すっかり慣れてしまったとも言えるでしょう。

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トイレに設置されている手洗い用温風乾燥機。これは多くのお店でスイッチが切られました。感心したのはどこかのファミレスです。節電への協力を願う張り紙と共に温風乾燥機は止められていましたが、その下には代用のペーパータオルが新たに置かれていたのです。

なるほど。「電気は節約させていただきますが、お客様へのサービスは怠りません」といったアクションです。しかし、そこまで実施している店舗はごくわずか。全国チェーンの大手スーパーでも、あれから温風乾燥機は止められたままで、「どうかご自身のハンカチをお使いください」という考えに変化は見られません。これが来月以降もしばらく続くようであれば、潔く撤去した方が良いかもしれません。「節電のため」よりも「経費削減のため」と思われるからです。

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一見、電気とは関係が無いように見える洗面台。実はこれも電気が無ければポンプを動かせないのでしょうし、今流行りの自動水栓も電動センサーのようです。しかし、驚いたのは出てくる水量。いつの間にかシャワー口のような部品が取り付けられ、水量がかなり絞られました。まさにチョボチョボといった感じで、手を洗うのにそれまでの3~4倍の時間がかかるのです。ここまでやられるとチョッとやり過ぎで、思わずハルンケアを投与させたくなります。

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利益を出すためには売上を上げるか経費を下げるしかないのでしょうが、どうやら節電アクションとサービス低下は紙一重です。このスーパーでも、今年の夏は電気と水道で相当の経費が削減できたはずですが、もうそろそろ戻すところは戻してもよいでしょう。

2基のうち1基が止められたエレベーターのせいで、足腰の重そうなご高齢のお客様が、なかなか来ないエレベーターをじっとお待ちになる姿を何度か目にしました。もうそろそろ、サービス向上へと舵を取り直しても良い時期ではないでしょうか。大切なお客様が逃げ出す前に。

「節電アクション」と書かれた印籠をぶら下げれば理解される期間は、もうじき終わりそうです。