ライフラインの携帯電話

先の東日本大震災で、私たちはライフラインの大切さを思い知らされました。ライフラインと聞いて真っ先に思いつくのは、電気、ガス、水道で、もちろんそれらが無ければ私たちは普通の生活を送ることができないわけですが、今回はそれに加えてガソリンと電話の重要性も感じたのです。

最近になって先輩とよくこの話しをするのですが、とりわけガソリンスタンドと携帯電話会社の防災体制は、現在の状況でベストなのだろか、という点で意見が一致します。もちろん素人考えで、技術的なことは何もわからない上での話。あくまでも希望的観測なのであります。

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大震災の影響で停電が起こり、その後ガソリンスタンドでは給油が出来なくなりました。ポンプを動かす電気が遮断されたので当然と言えば当然です。お店によっては手動ポンプでタンク内のガソリンを提供し続けたという話しも聞きましたが、ほとんどのお店は即刻に店じまい。

ガソリンスタンドのなかで、自家発電設備を備えているところは何パーセントほどあるのかは知りませんが、現代においてガソリンは重要なライフラインの一つ。コストの面で設備投資が難しいという問題も多いのでしょうが、自家発電を用意していないガソリンスタンドがこれほど多かったのだと感じたのも事実。国の助成なども含めて是非検討していただきたいものです。

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そして携帯電話。今回のような大規模災害時に、携帯電話は「電話」としてまったく役に立たない道具であるということがまたもや実証されました。いつもそうなのですが、通信規制がかかるからです。理屈は理解しますが、緊急事態に電話が使えないというのは事実です。

今回の震災時。例えば私などはクルマの中にいましたので、ラジオから大津波警報の情報をすぐに得ることが出来ました。しかし、例えばご自宅で留守番をしておられたおじいさんおばあさんなどは、停電によって何からも情報は得られず、電話も掛かってこない状況なのです。

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今や、ご家族全員に携帯電話を持たせるご家庭も多いようです。高齢者に携帯webやツイッターを覚えていただくのは難しいでしょうが、電話なら出ることが出来るでしょう。震災直後における携帯電話会社の対応として、例えば被災地以外からの発信は規制しても、被災地内での発着信は規制しない、というようなエリア分けでの対応が可能であれば望むところです。

それでも回線がパンクするようであれば、設備を増やしていただくほかありませんが、これもコストの問題が立ちはだかるのでしょうか。あの時、「大津波が来るから早く逃げて!」という電話ができれば・・携帯電話さえ繋がっていれば、もう少しの命が助かっていたかもしれないと思うのは私だけではないはず。今や携帯電話はライフライン。まさに「命綱」なのです。