50円の旅

個人的な仕事上でのことですが、意外にもハガキを多用していることに気が付きます。年賀状や暑中見舞いはもちろんですが、御礼やお誕生日に対してお祝いのお言葉など。これは現在の業種に就いてからすでに十数年続けている習慣の一つで、止めようにも止められません。

続けている理由は、お客様のおかげで今日もこうして生かしていただいているという感謝の気持ちと、もし止めてしまったら、アイツは倒れたか入院でもしたかと思われかねないからです。

・・と思っているのは単なる自意識過剰で、意外にお客様は気に留めていらっしゃらないのかもしれませんが、これも一つの自己満足。ハガキは私の代理で、お客様の元へ向かいます。

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ご縁があって、北は札幌から南は石垣島まで。本来は季節の節目に私自身がお客様のところへ出向いてご挨拶申し上げるべきなのでしょうが、現実的にはなかなか困難です。そこでハガキを使者として使わせていただくわけですが、ご存知の通り、旅費は全国一律で50円です。

パソコンやケータイで、いわゆる電子メールを使えば瞬時に相手先へ想いが届き、しかもコストは1円もかからないのでしょうが、そのような道具類、あるいは電子上のアドレスをお持ちではない方でも、現実のアドレス(住所)はお持ちです。そしてハガキの「現物」がお手元へと。

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考えてみれば、国内どこへでも50円で旅が出来るというのは驚くべきことで、ハガキが投函する私の手から離れてお受け取りになる人の手に渡るまで、いったい何人の手が加わるのだろうと想像すると、50円という費用に不思議さを感じてしまうのです。ややもするとデジタルよりもアナログの方が高くつく時代になりつつある今、この「50円の旅」は実にありがたいものです。